「肘が下がる」悪癖を1週間で修正 投手歴1年で全国へ…小6女子が取り組んだ“シャドーピッチ”

「オール葛飾アイリス」の橋本珠莉が4回9Kの快投…2大会ぶり全国出場導く
女子小学生の全国大会「NPBガールズトーナメント2025」(8月14日~20日、岡山県)出場権をかけた東京都大会準決勝で、オール葛飾アイリスが足立フェアリーに11-2で快勝。2年ぶり2度目の全国切符を掴んだ。立役者の1人が先発した橋本珠莉投手(6年)で、4回を9奪三振1失点の快投。準々決勝では制球に苦しんだが、タオルを使ったフォーム修正が好投に結びついたという。
東京・舎人公園野球場で6日に行われた「東京都知事杯 第14回東京都女子学童軟式野球大会 エリエールトーナメント」準決勝で、オール葛飾アイリスの橋本が快投を演じた。4回を投げて3安打3四死球1失点。力強い球で毎回の9三振を奪って全国大会へ導いた。
身長160センチ超で、数か月前に測った時の球速は97キロ。女子学童野球では抜きんでた存在だが、不安も抱えていた。6月29日に行われた大田フェアリーズとの準々決勝では2つの押し出し四球を与えるなど、制球に苦しんだ。
しかし、この日は2四球&1死球にとどめ、暴投による1失点にまとめた。「今日はまあまあいい方でした。調子が良くない時はどんなところが悪いのか考えて、肘が下がらないように工夫しました」とうなずいた。チームを率いる西村光輝監督も「しっかり修正してくれた。いい彼女を見られて良かったです」と右腕を称えた。
小学1年で地元の学童チーム・木根川レッズに入部。主に一塁を務めていたが、昨年5月に左手を骨折したことが“転機”になったという。「プレーできない時に何ができるか。投げることに特化しようということで投手に挑戦しました」と父の哲司さんは振り返る。元々地肩が強く、投手転向が吉と出て、めきめき頭角を現した。現在は木根川レッズでも“主戦格”として活躍する。

タオルを使ったシャドーピッチングで肘が下がる悪癖を解消
ただ、キャリアが浅いこともあり、フォームがまだ安定してない。コントロールを意識すると、右肘が下がってボールを押し出す形になり、抜ける球が頻発する。準々決勝はその典型だったという。そこで、準決勝までの1週間で重点的に取り組んだのがタオルを使ったシャドーピッチングだった。
肘を上げようとするのではなく、テークバックの際にタオルを持った右手の位置を上げるように意識する。「“肘を上げろ”と言うと、無理やり上げてしまうので……。タオルを持った右手の位置を意識させるようにしました」と哲司さん。その結果、上から叩ける腕の振りに修正できたという。
自宅近くの公園で哲司さんと壁当て、キャッチボール、打撃練習が行うのが日課。エースとして臨む全国舞台に向け、右腕は「三振をなるべく多く取って、多くの打席に立って出塁したいです」と投打での活躍を誓った。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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