バットのヘッドが走らない原因は？　大阪桐蔭OB推奨…手打ちを防ぐ“捻転振り出し”

背中側でバットを回し→胸郭を使ってスイング…廣畑実氏が教える“振り出しドリル”

　スイングスピードを上げ、飛距離を伸ばすには“脱・手打ち”の意識が必要だ。腕力だけではバットのヘッドは走らず、理想の打球を飛ばせない。大阪桐蔭高野球部の元主将で野球塾「AMAZING」を運営、「ミノルマン」の愛称でYouTubeでも活躍する廣畑実さんは、力感がないのにヘッドが勝手に走る「振り出しドリル」を推奨している。

　打撃や投球では、体幹や胸郭を使って下半身と上半身を連動させることが必要になる。子どもたちの打撃で多く見られるのは、バットと体が同時に回ってしまうこと。そうなると“手打ち”になり、ゴロや力のない飛球ばかり生まれてしまう。そこで、廣畑さんは胸郭（胸部周辺の骨格）を使った「振り出しドリル」を推奨している。

　まずは前足（投手側の足）のかかとを浮かせた状態で構え、トップの位置からバットを背中の後ろ側でグルグルと回していく。この際、胸郭を使ってバットを回すことが重要になる。そこから前足かかとを地面につけながらスイング。体幹や胸郭を使ってバットを振る流れが自然と身につき、力まずとも速いスイングが可能になる。

　この練習の最大の利点は、腕力だけに頼らないスイングを習得できることだ。廣畑さんは「腕でバットを出すのではなく、胸郭で引っ張ってバットを振れる。絶対にバッティングが良くなるので“魔法の動き”と呼んでいます」と力を込める。ただし、ドリルを始める前には必ず胸あたりのストレッチを済ませておくこと。いきなり行うと体を痛める可能性があるので注意したい。

　これができれば、次のステップでは「捻転振り出しドリル」に進む。「振り出しドリル」をしながら前に進んでいくというものだ。前足が地面に着く時に、一気に体の内側に「グッ」と腕を寄せていく動作が重要になる。

　この動きによって、捕手側の足も自然と前に寄り、理想的な“前体重”の状態を作り出せる。一連の動きを習得できれば「振り出しがゼロから100の爆発的な動きに繋がります」と廣畑さん。上のカテゴリーで活躍するためにも、腕力に頼らずに大きく体を使うスイングを早い段階で身につけておきたい。

（First-Pitch編集部）