13歳で130m弾、球速142キロの“二刀流逸材” 粗削りも魅力…元プロ絶賛「大谷選手の後釜」

中学2年で142キロ&特大弾量産…「狭山西武ボーイズ」の工藤未來
中学2年生で投手として142キロを計測し、打者として120~130メートルの特大弾を飛ばす逸材がいる。中学硬式の強豪「狭山西武ボーイズ」でプレーする工藤未來(みらい)で、13日に行われた「第11回日本少年野球 ニッセイカップジュニア大会」準々決勝&準決勝(埼玉・上里町)では投打にわたる活躍を見せて決勝進出に貢献した。チームの会長を務める元巨人の小野剛氏は「大谷翔平選手の後釜になれる選手です」と、潜在能力を高く評価する。
工藤はこの日、上越ボーイズとの準々決勝に「3番・投手」で出場。3回を投げて2点を許したものの、実に7三振を奪った。投手として公式戦で登板したのは2度目。2者連続四球を与えるなどまだ粗削りだが、剛球で相手打線をねじ伏せた。続く宮城仙北中央ボーイズとの準決勝には「3番・中堅」で出場して弾丸ライナーの右越え二塁打を放つなど、衝撃の打撃を披露した。
身長176センチで左投げ左打ち。小学では東京・西東京市の栄ホークスでプレーした。6年生の時に西武ジュニアに選出されてNPBジュニアトーナメントに出場。日本ハムジュニア戦で本塁打を放った。狭山西武ボーイズでは1年秋からレギュラー。主に「3番・中堅」で活躍した。
この大会は2年生以下が対象で、主将も担う。米田和宏監督は投球について「主将も務めて自分がやらなきゃという気持ちが出すぎて、空回りしている面もありますが、よく耐えてくれました。そこが成長した面だと思います」とうなずいた。

見据える二刀流での活躍「大谷選手を超えたいです」
2011年12月生まれの13歳は、投打ともに衝撃的な数値を残している。球速は142キロ。「中学を卒業するまでには150キロ台を投げたいです」と目標を掲げる。バットでは通算13本塁打を放っており、「120~130メートルくらい飛んだこともあります」と明かす。
さらに「投げるのも打つのも好きです。投打両方でいきたいと思っています。将来は大谷選手を超えたいです」と大志を抱く。
現役時代は投手として巨人、イタリア、西武でプレーした小野会長も「投げる、打つ、走る。全ての能力が高い。これまで見てきた中学生の中でナンバーワンです」とポテンシャルに目を見張る。打撃に関しては「飛距離がハンパじゃない。高校生より飛ばすんじゃないでしょうか」と驚きの声をあげる。
一方で、「体は強くないし、体の使い方もまだまだ」と指摘。「だからこそこれからが楽しみ。ポテンシャルの塊で、伸びしろしかないです。大谷選手の後釜になれる素材ですし、そうした選手に育てていかないといけない」と使命感を口にする。主将も務めるなど、人間性も抜群。13歳の大器は今後、どんな成長曲線を描いていくだろうか。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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