足が遅い選手に共通点「完全なブレーキ」　スピード阻む“着地位置”「空き缶で考えて」

ランニングトレーナーの村田和哉氏「スピードを決めるのは腰の位置」

　一生懸命に足を前に出しても、脚力は上がらない。福井商で2度の甲子園出場を果たし、陸上競技の道へ進んだランニングトレーナーの村田和哉さんは「腰より前に足がつくとブレーキになる」と語る。足の速さは生まれ持ったものではなく、“走り方”を覚えると誰でもスピードは上がるという。

　足が遅い選手は打力や投球に活路を見出すことがほとんど。だが、諦める必要はない。SNS総フォロワー30万人超の“走りのお兄さん”として人気を集め、全国各地でスプリント指導を行う村田さんは「スピードを決めるのは腰の位置。1歩目がスムーズに出ることが大事になります」と断言する。

　速く走れない選手の特徴として、村田さんは「足を腰より前に大きく出す」と指摘する。スピードを出すためには、ストライド（歩幅）を伸ばすために、足をできるだけ前に出す必要があると思いがちだが、「それでは逆に次の1歩が出ません。腰より前に足が地面につくと完全なブレーキ。そうなると力で行くしかなくなります」。接地のイメージとしては体の真下。元々、地面についていた足の場所に“戻す”ことで、スムーズな次の1歩が生まれるという。

「例えば空き缶を足で潰す時を考えてほしい。体より前に置いた空き缶と真下に置いた空き缶とでは、どちらが力強く潰せるか。それは後者。体重が全部乗せられるからです。着地の瞬間にどれだけ、地面に力を加えられるか。地面に与えた分だけ、反力は返ってきます」

　力任せに走るのではなく、走り方の基礎を理解すれば自然と脚力は上がっていく。幼い頃についた“癖”を取り除くために、毎日の練習で意識していきたい。

（First-Pitch編集部）