山本由伸が没頭「やっていて良かった」 MLB10勝の原点…投球の“再現性”高める独り練習

インタビューに応えるドジャース・山本由伸【写真:真柴健】
インタビューに応えるドジャース・山本由伸【写真:真柴健】

野球が上達したい少年・少女に向けドジャース・山本由伸がアドバイス

 メジャー2年目にしてチームトップの10勝(4日現在)をマークし、ワールドシリーズ連覇を目指すチームの柱となっているドジャースの山本由伸投手が、「First-Pitch」のインタビューに応じてくれた。自身の経験を踏まえ、野球を頑張る少年・少女へアドバイスを送る、題して『教えて! 由伸先生』。今回は「子ども時代に取り組んだ練習・トレーニング」について。(聞き手・真柴健)

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 こんにちは。山本由伸です。

 僕が小学生の時にずっと行ってきたのが「壁当て」です。プロ野球の世界に入ってからも、調子が悪い時などにもやっています。投球フォームも無駄なく投げられるようになり、自分のなかではいいなと思う練習方法ですね。一番のメリットは、自分が狙って投げたコースがしっかりと目にみえるところ。壁に当たることで、狙ったところより高い・低いとか、左右高低が分かります。

 壁当ては遊びの延長に見えますが、再現性も高められるようになるなど、結構内容が詰まっていると思います。あとは自分ひとりでもできること。野球の練習はひとりでできないことが多いです。ノック、バッティング、ピッチングでもサポートしてくれる人がいて成り立つことが多いですよね?

 その点、壁当ては、ボールと投げる場所さえあればできます。テンポよく練習もできますし、間を空けたり、自分のさじ加減でペースを上げたり落としたりするのもいい。単に投げるだけでなく、実戦をイメージすれば集中して没頭できると思います。

 ピッチング以外にも、跳ね返ってきた球で守備の練習にもなります。これも自分の力の入れ具合でワンバウンド、強いライナー、ショートバウンドなど変化を付けることができる。チャージをかけるのもいいし、ワンテンポ待って捕るのもいい。コントロールも良くなると思います。

 中学、高校とカテゴリーが上がっていくと、様々な練習方法を取り入れるようになるはずです。それでも、僕は今の立場で振り返ってみて、「やっていて良かった」と思えるのはやはり壁当てです。単純そうに見えますが奥が深く、本当にオススメします。今の時代は野球やボール遊びができる場所が少なくなっていますが、時間を見つけてたくさん、練習して上手くなってほしいですね。

(ドジャース・山本由伸 / Yoshinobu Yamamoto)

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