“小学生の甲子園”決勝は長曽根と伊勢田の「関西対決」へ 8度目Vか初Vか…18日に注目の一戦

全日本学童野球大会準決勝…伊勢田ファイターズが初の決勝進出
47都道府県を代表する学童野球チームが頂点を争う「高円宮賜杯 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」は17日、HARD OFF ECOスタジアム新潟で準決勝2試合が行われ、第1試合では伊勢田ファイターズ(京都)が多賀少年野球クラブ(滋賀)に5-3で勝利。第2試合は長曽根ストロングス(大阪)が旭スポーツ少年団(新潟)に5-4でサヨナラ勝ちを収めた。決勝は18日に同球場で行われる。
第1試合では伊勢田ファイターズが集中力を発揮した。2回2死から満塁の好機を作ると、1番・松倉駿(6年)の適時打に敵失が絡み3点を先制。続く2番・幸尚哉(5年)にも適時打が飛び出し、この回、大きな4点が入った。投げては、先発した左腕の藤本理暉(6年)が2度の降板を挟んで計5回2/3を無失点と好投。投打が噛み合い、初の決勝進出を決めた。
幸智之監督は「選手が野球に集中できていて、チームが1つになっている。それがチャンスで邪念や不安を持たず、グッと入っていける要因だと思う」と2回の集中打を振り返る。初優勝に向けては「選手たちが納得できる野球をしっかりすれば、おのずと結果はついてくるはず」と力を込めた。
2019年以来の優勝を狙った多賀少年野球クラブは5点を追う5回に8番・大橋民紀太(6年)がソロ本塁打を放ち、6回にも2点を返したが、反撃も及ばなかった。

旭スポーツ少年団は新潟県勢初の決勝進出ならず
第2試合は劇的な展開となった。2021年以来の優勝を目指す長曽根ストロングスは、2点を追う6回、1番・岩崎海斗(6年)の適時打で1点差に迫り、なおも1死一、二塁と好機を広げると、3番・月田拓斗(6年)の打球は右中間を破り走者二人が生還。逆転サヨナラ勝利で、最多7度の優勝を誇る強豪チームの意地を見せた。
初出場で準決勝まで勝ち上がった旭スポーツ少年団は惜敗。初回に2死から4連打で3点を奪い先制し、その後も試合を優位に進めたが、最終回に力投を続けていた2番手の小柳有生(6年)が痛打を浴びた。
旭スポーツ少年団の高畑哲也監督は「小柳がここまで捉えられることはそうそうない。最後に長曽根さんの底力を見せつけられた」と相手を称賛した。新潟県勢初の決勝には届かなかったものの、県勢最高タイの4強入り。地元開催の今大会に駆けつけてくれた観客に向け、「応援の力が初回の3点をもたらしてくれた」と感謝を口にした。
昨年の新家スターズ(大阪)と北ナニワハヤテタイガース(兵庫)の対戦に続き、決勝は2年連続で「関西対決」に。長曽根ストロングスが8度目の優勝を果たすか、それとも伊勢田ファイターズがそれを阻み初の日本一をつかみ取るか。注目の一戦は18日午前9時から予定されている。
■試合結果
◎準々決勝(16日)
多賀少年野球クラブ(滋賀) 9-3 大龍ビッグドラゴンズ(鹿児島)
伊勢田ファイターズ(京都) 11-6 豊上ジュニアーズ(千葉)
長曽根ストロングス(大阪) 4-2 牛島野球スポーツ少年団(秋田)
旭スポーツ少年団(新潟) 3-1 木屋瀬バンブーズ(福岡)
◎準決勝(17日)
伊勢田ファイターズ 5-3 多賀少年野球クラブ
長曽根ストロングス 5-4 旭スポーツ少年団
(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)
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