“小学生の甲子園”は長曽根ストロングスが史上最多8度目のV 伊勢田は2者連続アーチも及ばず

最多8度目の優勝を果たした長曽根ストロングス【写真:小池義弘】
最多8度目の優勝を果たした長曽根ストロングス【写真:小池義弘】

全日本学童野球大会マクドナルド・トーナメント決勝…関西対決を制し4年ぶり頂点

 47都道府県を代表する53の学童野球チームが頂点を争う“小学生の甲子園”「高円宮賜杯 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」は18日、HARD OFF ECOスタジアム新潟で決勝が行われ、長曽根ストロングス(大阪)が伊勢田ファイターズ(京都)に8-4で勝利し、2021年以来、8度目の優勝を決めた。

 同大会の最多優勝回数を誇る強豪・長曽根ストロングスは、初回から試合の主導権を握った。1番・岩崎海斗(6年)が四球で出塁すると、盗塁と相手のバッテリーミスの間に三塁まで進む。続く2番・森川壱誠(6年)の内野ゴロの間に生還し先制。この回さらに1点を奪い、2回にも岩崎の2点適時打や4番・苧原祐次郎(6年)の適時打などで5点を追加した。

 3回以降は追い上げられるも、谷脇蒼(6年)と森川の継投で逆転は許さず。序盤のリードを守り切り頂点に立った。熊田耐樹監督は「今年はチームの力がなく、スター選手もいない中で、苦戦しながらも優勝した。指導者が引っ張って、子どもたちが努力と根性で頑張った結果」と感慨深げだった。

 今大会のレギュラーには吉見憲眞(5年)、山田蒼(5年)ら5年生も複数人名を連ねた。「(5年生の選手は)走れるし、打てる。来年は今年より強い」と熊田監督。来年はチームとして3度目の連覇を期す。

藤本、夏山(写真)の2者連続本塁打で追い上げた伊勢田ファイターズ【写真:小池義弘】
藤本、夏山(写真)の2者連続本塁打で追い上げた伊勢田ファイターズ【写真:小池義弘】

伊勢田ファイターズは2者連続本塁打で猛追も初優勝ならず

 初優勝を狙った伊勢田ファイターズは、今大会好投が続いていた先発の藤本理暉(6年)が2回途中7失点で降板。序盤から苦しい展開を強いられた。

 そんな中、3回は2死から2番・幸尚哉(5年)が安打で出塁すると、3番・藤本と4番・夏山淳(6年)の2者連続本塁打が飛び出し3点を返す。4回にも1点を奪い、なおも満塁の好機を作ったが、あと1本が出なかった。

 幸智之監督は「(4回に)満塁本塁打が出ていれば同点だったけど、『たられば』はない。決勝は甘くないと感じました」と唇を噛みつつ、「長曽根ストロングスさん相手に、この展開から『もしかしたら勝てるかもしれない』というところまで追い上げることができたのは選手たちの成長」と教え子に賛辞を送った。

 7点差をつけられた2回終了時、浮き足立つ様子が見られた選手たちに「もう一回俺らの野球を思い出そう。0-0のつもりで、1つ1つの勝負を楽しもう」と声をかけた。「勝ちにこだわりすぎず、ワンプレーに対して全力でやる」本来のスタイルを取り戻した結果、勝利には届かなかったもののチームの持ち味を存分に発揮した。

 同じ関西で普段から練習試合を行うなど交流のある両チーム。試合後は両軍入り交じって記念撮影を行い、笑顔で互いの健闘をたたえ合った。

(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)

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