子どもには「プロテインよりおにぎり」 食事に迷う保護者へ…逃したくない“成長のサイン”

管理栄養士の渡邊元美さん【写真:伊藤賢汰】
管理栄養士の渡邊元美さん【写真:伊藤賢汰】

横浜高の元寮母で、管理栄養士の渡邊元美さんが強調する「補食」の重要性

 野球少年、少女たちの能力を最大限に引き出す鍵は、練習と成長をサポートする栄養管理にある。横浜高校野球部の元寮母で、現在は管理栄養士として活動する渡邊元美さんは、成長期の子どもにとって「補食」の重要性を強調する。特に練習で消費する大量のエネルギーは、朝昼晩の3食だけでは補いきれないことが多いという。

「お腹がすいたと思う時が、体が成長したいという時」だと渡邊さん。子どもたちが練習後や学校から帰宅後、夕食までの時間に感じる空腹は、実は体からの重要なサイン。このタイミングにしっかりとエネルギーを補給することが、技術向上の土台となる体づくりには欠かせない。

 渡邊さんは「補食として最適なのがおにぎり。簡単で美味しく、そして栄養も取れる」とアドバイスを送る。お米1合分のエネルギーを食パンで取ろうとすると、6枚切りなら5枚近く食べなければならない。しかも、パンにはバターなど脂質も多く含まれる。一方、お米は脂質がほとんどなく、エネルギーに変わりやすい特徴がある。これは素早く走り、強く振り、遠くに投げるという野球のパフォーマンス向上に直結するという。

 さらに、おにぎりは大きさを調節できる点も魅力だ。食が細い選手でも、サイズを小さくすれば「これなら食べられる」と感じることができる。練習前は消化に負担がかからない小さめのサイズ、練習後は大きめのサイズというように、状況に応じた調整も可能だ。

 最近では小学生年代からプロテインを摂取する選手も増えているが、渡邊さんはこれに警鐘を鳴らす。「成長期は食事でまず整えてほしい」。3食きちんと取っていれば、タンパク質の必要量は補えており、プロテインはあくまで「プラスアルファ」という考え方が大切だという。

 野球少年の体づくりには、糖質・脂質・タンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルも欠かせない。筋肉を作り、体内でエネルギーを効率よく回すためにはこれらの栄養素がバランスよく必要になる。適切な栄養補給が、体を支える土台となる。

(First-Pitch編集部)

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