単調なキャッチボールでは覚えにくい“リリース感覚” 正確な送球へ導くチューブトレ

トレーニングコーチの塩多雅矢さんが伝授…リリースを安定させるドリル
野球を始めた子どもたちの悩みの1つに挙げられるのが“制球力”だ。何度も練習しているのに思ったところに投げられない――。なぜコントロールが安定しないのか。約20校の中学・高校野球部をサポートするトレーニングコーチの塩多雅矢さんは「正確な送球に必要なのは、リリースポイントを安定させること」と指摘する。
どれだけ強いボールを投げられても、内野手ならアウトを奪う正確な送球、投手なら正確な制球力が必要となる。リリースポイントの位置は投げ方により多少の違いはあるものの、「バチっと」はまる位置を見つける必要がある。
リリースの感覚を高めるため、塩多さんが推奨するのが「ゴムチューブ」ドリルだ。まずは重めのトレーニングチューブを用意し、それを折り畳んで利き手で掴む。リリースポイントまで上げ、手首をくるくる回していく。手首を回した際に、ゴムの上下が手に巻きつくような動きをすればOKだ。
感覚としては「ドアノブを回す動き」に似ており、それが肘から先の動きに繋がっていく。この動作の重要なポイントは、胸を張った時は手のひらが自分の方向を向いていること。投げる動作を続けると、手のひらがパッと外に向く。この瞬間がリリースになる。
この練習を繰り返すことで、「パチっと」ボールをリリースしていく感覚が身につく。単調なキャッチボールだけでは見つけにくいリリースの感覚を、ゴムチューブを使うことでより明確に体感できるのがこのドリルの特徴だ。まずは少ない回数から始め、徐々に回数を増やしていく。
野球初心者が直面しやすいコントロールの悩み。シンプルだが効果的なこの練習でリリースポイントを安定させ、より正確な送球を目指してほしい。
(First-Pitch編集部)
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