肩慣らしは危険…疎かにできないキャッチボール 送球上達のコツは「肘の角度」

キャッチボール上達に繋がる「肘の角度」とは(写真はイメージ)
キャッチボール上達に繋がる「肘の角度」とは(写真はイメージ)

ソフトバンクでスキルコーチを務める菊池タクト氏「リリースで腕を緩めない」

 野球の練習で疎かにしがちなのが「キャッチボール」だ。ウオーミングアップ時に肩慣らし程度の意識で行ってしまうと、プレーのスキルアップは遠のいてしまう。そこで、野球スキルコーチの菊池タクトさん(ソフトバンク・R&Dグループスキルコーチ)が推奨する、キャッチボール上達のための工夫を紹介。まずは、安定したリリースを身につける“利き腕の使い方”から。

 菊池さんは「リリースでは腕を緩めないことがすごく大事」と指摘する。安定したリリース位置を習得するための効果的なトレーニング法として推奨しているのが、重いサンドボールを使った「ビハインドスロー」だ。

 サンドボールは小学生なら420~500グラムの重さを用意する。中学、高校と体が成長していけば徐々に重さを上げていく。通常のボールより重いサンドボールを使うことで「胸が前に倒れていき、(リリース時に)肘が伸びている状態」の正しいフォームを体に覚えさせることができるという。

「ビハインドスロー」の名の通り、投げるのは捕手方向ではなく二塁方向。両足を開いて立ち、いつものように捕手方向に投げる体勢からスタートする。まず、トップの位置をつくる際に「Lポジション」と呼ばれる、肘が90度に曲がった状態をしっかりつくる。肘が鋭角に曲がりすぎないよう注意したい。この姿勢を保ったまま、二塁方向に胸をひねっていき、胸を前に倒しながら腕をネットの方向へ伸ばしてスローしていく。右投げならば、右足を前にして投げることになる。

「自分の肩から前に向かって腕が伸びて、フォロースルーを取ることが大切。逆に、腕が横振りになり背中側に戻ってくるようだと、腕だけで振っている状態で、肩や肘を痛めやすくなるので注意が必要です」

 体がどのように動いているかを理解しやすいのが、重みのあるボールを使うことのメリットだ。リリースまでの「Lポジション」を作り、胸を使って投げる意識を体に身につけさせ、通常のキャッチボールにも活かしていきたい。

(First-Pitch編集部)

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