投打のパフォーマンス向上を妨げる“硬い胸郭” 成長期に取り組みたい「体ずらし」

パフォーマンスを上げる「胸郭の柔軟性」とは(写真はイメージ)
パフォーマンスを上げる「胸郭の柔軟性」とは(写真はイメージ)

スローイング精度を上げる…チューブを使った「胸郭ずらし」

 成長期で身長が伸びはじめる時期は、骨の成長と筋肉のバランスがかみ合わないことで柔軟性が失われやすい。柔軟性が低下すると「思うように体重移動ができない」「スイングのためを作れない」といった悩みを抱える場合もある。オリックス・山岡泰輔投手をはじめ、これまで30人以上のプロ野球選手を指導してきたトレーナーの高島誠さんはこの問題の解決法として、「胸郭の動き」に着目。成長期に起こりうる故障リスクを軽減し、パフォーマンスアップのための柔軟性を高めるエクササイズを伝えている。

 胸郭の柔軟性を高める第一歩として、高島さんは「胸郭をずらす動き」を重視している。壁や柱に固定したチューブの輪を脇の下に入れ、手を肩の高さに上げた状態で骨盤を固定し、体を左右にずらす動作を繰り返す。この動きを10回程度行った後、チューブの位置を徐々に下げていく。肋骨1本ずつおろしていくイメージで、おへその横あたりまで続けるのが理想だ。

 このエクササイズの効果を高島さんは「壁から離れた方向に行くと、チューブの抵抗でちょっとしんどい。壁側に行くと、チューブが縮むので、ストレッチするような感じになります」と説明。胸郭周りに刺激を与え、柔軟性を獲得するのに有効だと解説している。

 注意点としては「肘の曲げ伸ばしじゃなくて、体をずらす」こと。肘を曲げただけで体の横ずらし動作が十分でないと、エクササイズの効果が半減する。どうしても不安定になる場合は「(補助者に)骨盤を押さえてもらうっていうのもありです。より動かしやすい」とアドバイスしている。

 回数の目安は左右10回ずつで、硬い部分を見つけたらそこを集中的にケアすることが効果的。自宅で実践する場合は、100円ショップで購入できるチューブなど、強度があるものを見つけて代用することも可能だ。このエクササイズは、投球フォームの改善や打撃パワーアップにつながり、野球少年の技術向上に大きく貢献する。

(First-Pitch編集部)

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