日常生活にない「大声で叫ぶ」メリットとは? 筒香兄が導入する「全力綱引き」の絶大効果

少年硬式野球チーム「和歌山橋本Atta boys」が取り入れる綱引きで心肺機能も強化
DeNA・筒香嘉智外野手が故郷の和歌山に設立した少年硬式野球チーム「和歌山橋本Atta boys(アラボーイズ)」は“スケールの大きい”選手育成に定評がある。筒香の実兄でチームの代表を務める裕史さんは技術だけでなく、体の動きや機能を高めるトレーニングなども積極的に取り入れている。「全力綱引き」もその1つだ。
アラボーイズでは声を出すことを習慣化させている。ただ出すだけでなく、「今日の最大の声がこれだっていうので練習に向かう」という心構えで臨ませる。これに綱引きを加えることで練習への集中力が高まり、実戦でも緊張感を保った状態で力を発揮できるようになる。体幹と心肺機能を同時に強化できる効果的なトレーニングだ。
しかも、騒音計を使用して声の大きさを計っている。「子どもたちは数字を見て判断できる。どれだけ大きな声を出せばいいのかも分かります」と、客観的に成長を確認できる工夫も施している。モチベーション維持にも効果的だ。
声を出す行為は技術だけでなく、精神面の強化にも直結している。日常生活で大声を出す場面はほとんどない。だからこそ、練習で意識的に取り入れる価値がある。
全力で声を出しながら綱引きすることは、より実戦的な状況を作り出せる。力を入れるタイミングと声を出すタイミングを一致させる感覚は、打撃でのインパクトや投球時のリリースポイントでの力の入れ方にも応用できる。声出しトレーニングは、野球のあらゆる場面で活きる基礎体力と精神力を同時に鍛える最適な方法なのかもしれない。
(First-Pitch編集部)
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