腕を振っても球速が上がらないのはなぜ? 鍵握る肩甲骨の“範囲”…怪我も防ぐ「棒ドリル」

肩甲骨の可動域を広げるためのドリルとは(写真はイメージ)
肩甲骨の可動域を広げるためのドリルとは(写真はイメージ)

全国制覇5度の取手リトルシニアが実施…肩甲骨の可動域を広げる「棒ドリル」

 一生懸命、腕を振っても球速が上がらない――。そんな悩みを抱える少年少女は少なくないだろう。原因のひとつに挙げられるのが、肩甲骨の可動域が狭いこと。中学硬式野球の強豪「取手リトルシニア」の石崎学監督が、チームで実践しているドリルを紹介している。

 取手シニアは過去に5度、全国制覇を成し遂げている強豪。チームを率いる石崎監督の本職はトレーナーで、選手のコンディショニングに細かく目を配っている。投手のトレーニングで重視しているのは肩甲骨と股関節の柔軟性を高めること。可動域が広がれば怪我防止に繋がり、パフォーマンスも向上する。

 肩甲骨の柔軟性を高める方法として挙げるのが「棒ドリル」だ。両腕を伸ばした状態で棒を握り、両腕の間に頭をくぐらせ、棒を背中側へ持っていく。次は背中側から頭の上を通して棒を前に持ってくる。

 棒を握る両手の間隔が狭いほど、肩甲骨の可動域が広いことになる。肘を伸ばしたまま両腕を動かすことが重要で、「後ろ(背中側)に行く時は伸ばせても、前に動かす時に曲がるとか、片側が曲がってしまうのはいけません。きっちり伸ばしたままやってください」と強調する。

 肩甲骨が柔らかい選手は、棒を握る両手の間隔が肩幅ほどになるという。棒がない場合は、タオルなどを代用しても問題ない。取手シニアの投手は練習でのブルペン投球後、試合で登板を終えた後など、投げた後にこのメニューを行っているという。

「筋肉を鍛えるわけではないので、毎日やって大丈夫です。自宅で空いた時間に20回くらい行うといいと思います」。強いボールを生み出す肩甲骨の柔軟性。棒やタオルでできる“簡単メニュー”を取り入れたい。

(First-Pitch編集部)

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