オリJr.監督が全幅の信頼「全て持っている」 “華”を求めず…捕手のやりがい見つけた主将

オリックス・バファローズジュニアで主将を務める小川咲来
逸材小学生が集って日本一を争う「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」が、12月26日から29日にかけて神宮球場と横浜スタジアムで行われる。2007年以来18年ぶりの優勝を狙うオリックス・バファローズジュニアで主将を任されるのが、捕手で背番号「10」の小川咲来(さくら)選手(6年)。指揮を執る塩崎真監督は「捕手に必要なものを全て持っている。チームをまとめる力もNo.1」と、全幅の信頼を置いている。
どんな状況でも笑顔を絶やさない。小川くんは野球好きの両親を見て育ち、小学校1年生から池田ウイングスで野球を始めた。投手、遊撃など華のあるポジションには見向きもせず「面白そうで、かっこいい。チームを動かすことができる唯一のポジションだと思っている」と、入部から“捕手一筋”でプレーを続けている。
各チームの主力が揃うバファローズジュニアで試合全体をコントロールし、“扇の要”としての役割を全うする。捕手はスローイング、キャッチング、ブロッキングなど求められる要素が多く、特殊で過酷なポジションと言われているが、小川くんは全てにやりがいを感じている。
「やり始めの方はうまくいかなくて、泣きながらやっていた時もあります。でも、やっているうちに自信がついてきて心が変わってきた。投手を含め全ての選手が僕の顔を見ている。だから、どんな時でも笑顔でプレーする。本当に笑顔を見てほしい」

捕手としての能力はもちろんだが、統率力もずば抜けている。自ら主将に立候補し、プレーだけでなくグラウンド外での行動にも目を配る。その姿勢に塩崎監督も「人柄が明るくて、周りを見る力がある。この年で気遣いもできる。だからチャンスにも強い。この子で負けたら仕方ないと、誰もが思うはず」と口にする。
守備だけでなく打撃でもチームの中心だ。すでに通算本塁打は50本を超えている。技術を求めるだけでなく、柔軟性や体の操作性を意識しながらトレーニングを続けたことで自然と長打は増えたという。「結果を残すのはもちろん、チームを引っ張っていく。かっこつけずにがむしゃらに。ジュニアで一番の雰囲気を作っていきたい」。塩崎監督を胴上げするため、勝利に向けて全力を尽くすだけだ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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