素振りで小学生が陥りがちな「悪癖」 元ロッテ監督推奨…コンタクト率高める“イメトレ”

元ロッテ監督の井口資仁氏らが飛距離アップのポイントを小学生に伝授
飛距離アップの鍵は“トップの位置”にある。東京都西東京市の岩倉高グラウンドで2025年12月14日に行われた「GRAFARE(グラファーレ)ジュニア野球教室」に、元ロッテ監督の井口資仁氏、日本ハム外野守備走塁コーチの森本稀哲氏らが参加。24チーム241人の小学生に、日米通算2254安打をマークした井口氏は打撃で飛距離を伸ばすポイントを伝授した。
「バッティングはシンプルに考えよう。キャッチボールと同じで、遠くに強い打球を飛ばそうと思ったら、ステップした時に大きくトップの形を作ることが大事です。トップが浅いと強い打球が飛びません。練習では空振りしてもいいから、しっかり大きく取ることを心がけよう」
打席で構えた際、トップの位置をできるだけ捕手寄りに置く意識である。トップが浅いと、インパクトまでの距離が短くなる。その結果、スイングスピードが上がりにくくなる。
「遠くに飛ばすにはバットのヘッドスピードをとにかく出すこと。ヘッドを走らせるには距離が必要です。短い距離で一生懸命に振ってもヘッドは走らない。なるべく大きく構えて、トップの位置を作る。そこから球に対して一気に振り出すんです」
もう1つ、意識したいのが下半身。特に軸足の親指での踏ん張りがポイントになる。「遠くに飛ばそうとして腕だけで振ろうとするのは間違い。腕より下半身の方が力が強いのに、フラフラしていたら球に力は伝わらない。軸足の親指で蹴る感じで踏ん張ってほしい」。親指での踏ん張りが足りずに軸足が回りすぎると「力が抜けてしまいます」と指摘する。

大谷翔平は「頭の位置が動いていない」「軸が残っている」
スイングの際、頭の位置をずらさないことも重要だ。ドジャース・大谷翔平投手を例に、「見ていたら分かると思います。頭の位置が全く動いていないでしょ。軸がしっかり残っている。みんなもそういう打ち方ができるようになってください」。トップの位置を大きく取り、頭を動かさずに軸足で踏ん張って振り切ると、バットのヘッドが走るのである。
質問コーナーで「バットの芯に当てるにはどうすればいいですか?」と問われると、「練習すること」と回答。「一生懸命に振ると、どうしてもインコースばかり振ってしまう。相手投手を想像して、ボールの軌道にラインを描くイメージをしてほしい。想像することで練習になる」と語りかけた。
素振りでフルスイングすると、小学生は内角ばかりを振りがちだと説明。実際に投手との対戦をイメージしながら、真ん中や外角にバットを出す練習をすれば、実戦で芯で捉える確率が上がるという。コースだけでなく高低も意識して取り組んでほしいと伝えた。
「内角と外角をどちらも強く打つには?」との質問には、日本ハムや阪神で活躍した今成亮太氏が対応。「ドアを押す時に体を開かないのと同じように、体を開かないで打つのがコツです。そうすると、どのコースにも力がしっかり伝わります」と説明した。
あいにくの雨のため室内での開催となった野球教室。井口氏は「実技は思い切りできなかったですけど、身近でいろいろなことを伝えられたのは大きかった」と振り返り、「とにかく野球を楽しく続けてほしい」と結んだ。
全ての実技の中で、最も盛り上がったのが打撃。やはり打つことは楽しい。遠くに飛ばせれば、もっと楽しくなる。そのために必要なのはトップの位置を大きく取ること。そして軸足で踏ん張ること。まずはその2点が、打力向上の鍵となる。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
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