1日500スイング…練習量と科学の“融合” 高校野球で活躍へ、全国2冠が鍛える「野球脳」

2025年に“全国2冠”を達成した東海中央ボーイズ【写真:加治屋友輝】
2025年に“全国2冠”を達成した東海中央ボーイズ【写真:加治屋友輝】

「量と質」の両立で成長を加速…重視するインパクトとリリースの出力

 高校野球という次のステージを見据え、中学時代に何を身につけるべきか。保護者や指導者の悩みは尽きない。昨年、中学硬式野球で“全国2冠”を達成した「東海中央ボーイズ」の竹脇賢二監督は、高校やその先で活躍できる選手育成を目的に指導している。根底にあるのは、徹底した基本の習得。そして、科学的アプローチで選手の成長を加速させている。

 なぜ基本が重要なのか。竹脇監督は「野球は動くスポーツであり、動きは応用である」と説く。捕る、投げる、打つ、走るといった基本動作が確立されていなければ、実戦での瞬時の判断や動作に繋がらない。だからこそ基本を徹底し、無意識に体が動くレベルまで技術を染み込ませる必要がある。

 練習量がその裏付けとなる。打撃ではティーとフリーを合わせ、一日に300球から500球。守備では内野手が100球ほどのノックを受ける。2人のノッカーがテンポよく打つことで、量を確保する。一方で、成長過程にある投手に関しては肩や肘への負担を考慮し、球数制限を設けて慎重に調整している。

 量だけでなく「質」も追求する。2年前から科学的アプローチを導入。打撃なら「インパクト」、投球なら「リリース」でいかに力を発揮できるか。このゴールから逆算して動作を磨く。スキルとフィジカルに加え、原理原則を理解する「野球脳」を鍛えることで、成長のスピードは格段に上がるという。

 指導において特徴的なのは「あえて、教えすぎない」ことだ。うまくいっている時に、言葉は耳に入りにくい。選手自身が原理原則を理解し、頭を使って練習に取り組めている場合は2、3年間全く指導しないこともあるという。自ら考え、実践できる選手こそが伸びるという考えがあるからだ。

 もちろん放置するわけではない。現在は結果が出ていても、高校進学後に苦労すると見越せば、早めにメスを入れる。目先の成功体験よりも高校での甲子園出場など、その先で長く活躍できるかを重視。「野球脳」を含めた正しい基礎を中学時代に築くことが、未来の可能性を広げる鍵となる。

(First-Pitch編集部)

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