野球が上達する幼少期の“追う習慣” キャッチボールも工夫次第…磨きたい必須能力

BC埼玉・角晃多球団社長が語る…幼少期に養いたい「空間認識能力」

 野球の技術向上のため、幼少期に養っておきたい能力がある。プロ野球独立リーグ、ルートインBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズは年間200回以上の野球教室を開催している。元ロッテ内野手で球団社長の角晃多氏は、小学生には「いろんな球を追いかける習慣を作ってほしい」と訴える。

「特に小学3年生以下の子どもには、いろんなスポーツをやってほしいと思っています。いろんな種類の球を追いかけてもらいたい。例えばキャッチボールでも、お互いに漠然と投げ合うだけじゃなく、あえてショートバウンドで捕ってみるのもいい。ワンバウンドやツーバウンドで投げてみようとか、投げる側も捕る側も、いろいろやってほしい」

 2021年オフに球団社長となって以降は指導する機会が減ったものの、現役時代や監督時代は「ユニホームを着ている選手、監督が行くことに価値がある」と積極的に野球教室に参加。学年やチームによって要望が違うため、ニーズに合わせて柔軟に指導してきた中で「空間認識能力」を養わせることは常に意識してきたという。

 自分と球との位置関係などを正確に把握する空間認識能力は、打撃や守備はもちろん、走塁での判断でも生かされる。「いろんな技術を習得していく上で、空間認識能力は結果的に一番大事だと思っている」とし、「飛んでいる球、動いている球に対して、どうやって距離感をとっていくか。これさえあれば、結構うまくなるんです」と力を込めた。

「野球以外のスポーツも、やっておいた方がいい」

 潜在的な感覚は小学校入学前に止まることが多いらしいが、「小学生になってからやっても遅くない。『小さい時にやっておいてください』ということは、いつも言っていました」という。いろいろな球を追うのは野球に限らなくていいそうで「サッカーでもバスケットボールでもいいんです。その競技をやってほしいということではなく、球を追いかける習慣をつけてほしいんです」と強調した。

 角氏の父は、元巨人のリリーフエースで最優秀救援投手のタイトルも獲得した角盈男氏で、生まれた時から周囲に野球があるのが当然のような環境。野球のプレーに関しても「いつ始めたか分からないぐらい」と振り返るが、幼少期には野球だけでなくテニスやサッカー、バスケットボール、水泳にも取り組んでいたという。

「野球以外のスポーツも、やっておいた方がいいと思います」。自身も行っていた水泳のように、球技でなくてもいい。「フリスビーもそうですし、周囲に飛んでいるいろんなものに対して、距離感をつかんでほしい。小さい時は細かい打ち方を覚えるより、そういうことをやっていた方が後々伸びると思っています」。

 空間認識能力を養ってほしい一方で、難しく考えすぎないでほしいという願いもある。「『何よりもちゃんと楽しんでください』ということは常々言ってきました」。楽しくないと続けられない。野球を心から楽しみながら、ボールとの距離感をつかんでいく。それが将来の技術習得につながっていく。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

少年野球指導の「今」を知りたい 指導者や保護者に役立つ情報は「First-Pitch」へ

 球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。

■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY