生きたノックより効果的? ゴロ捕球上達の“最短距離”…全国V5のマシン守備練習

取手シニア・石崎学監督が推奨するマシンの活用…“単調な打球”で身につく守備の修正力
5度の全国制覇を誇る中学硬式の強豪「取手リトルシニア」では、ポジションに関係なく全員が内野ゴロの捕球練習に励む。練習を効率化するために6人1組でサード、ショート、セカンドを回り、逆シングル限定やスローイングまで含めたメニューをローテーションでこなす。特筆すべきは、ノッカーにマシンを使用している点だ。この練習法には、効率だけでなく守備の基礎を固めるための緻密な狙いが隠されている。
石崎学監督は、あえて「簡単な打球」をマシンで供給する。指導者がノックを打つと、100球あれば100球とも速度やバウンドが変わってしまう。しかし、マシンであれば似たような打球を続けて供給できる。これにより選手は動作の反復に集中でき、技術を確実に習得するために不可欠な要素となっている。
打球の速さやバウンドが基本的に変わらないことで、選手は失敗に対して即座に修正を加えられる。「失敗してもまた似たような打球がくるので、反省を踏まえて、もう1歩後ろだったかなとか、もう半歩前だったかなと修正できます」と石崎監督は語る。同じ条件の打球が来るからこそ、足の運びやグラブの位置といった細かなズレに選手自身が気づき、トライアンドエラーを積み重ねられる。
取手シニアでは、このドリルを夏冬問わず、大会直前であっても継続している。タイマーで12分から15分と区切り、次から次へとテンポよく移動していくスタイルは、集中力を維持する効果も高い。
守備の基本は、正確なステップと確実な捕球、安定したスローイングの連動にある。マシンを使って意図的に状況をシンプルにすることで、選手は余計な予測に惑わされず、自分の体と対話しながら技術を磨ける。石崎監督が「より簡単にしたくてそうしてます」と語る通り、基礎の反復こそが守備力向上への最短距離になる。この「修正のサイクル」を積み重ねた先に、どんな打球にも動じない鉄壁の守備が完成する。
(First-Pitch編集部)
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