球数制限の前に大切な「肩甲骨の準備」 “肘の権威”が伝授…不安をなくすチューブトレ

TJ手術の第一人者・古島弘三氏が監修…故障を防ぐ体作り
少年野球の子どもたちや保護者にとって、一番の心配事は肘や肩の怪我ではないだろうか。球数制限も設けられる中、大切なのはまず、投球動作の土台であり怪我のもとにもなる「肩甲骨」の機能を高めること。慶友整形外科病院スポーツ医学センター長で、野球肘治療の第一人者として知られる古島弘三さんが監修する、肩甲骨周りに刺激を入れ、スムーズに動かせるようにするゴムチューブトレーニングを紹介する。
なぜ肩甲骨の動きが大切なのか。投球動作において、テークバックで腕を捻った状態からリリースまでの過程で、活動が高い筋肉が肩甲骨周りにつく「前鋸筋」や「僧帽筋下部」だからだ。これらに刺激を入れて安定させることで、投げる時にかかる肩や肘へのストレスを減らす作用があるという。無理な投げ方で肘を痛めてしまう前に、まずは土台となる肩甲骨をしっかり使えるように準備しておくことが、上達への近道といえる。
まずは座ってできるメニューから始めてみよう。チューブを肩甲骨の後ろに回して体の前で両端を持ち、両腕を前に伸ばす。「肘を伸ばした状況で、ぐっと前に突き出していく」動きを繰り返すことで、肩甲骨が外側に動いたり内側に寄ったりする感覚を養う。このとき、肩の位置がぶれたり腕が下がったりしないよう、高い位置をキープするのがコツだ。軽い負荷のチューブを使い、20回から30回を2、3セット行うのが目安となる。
次に、柱などにチューブを引っ掛けて、両腕で引っ張るドリル。肘を90度に曲げた状態を保ち、ゆっくりと引いて肩甲骨を寄せていく。肩甲骨の内側に力が入っている感覚があればOKだ。これができたら、両手を高い位置に上げた状態でも同じように引き寄せてみよう。続けていくうちに肩の高さが下がってくるので、なるべく上げたまま、良い姿勢をキープして取り組むことがポイントだ。
実践する際の注意点は、体が反ったり丸まったりしないこと。慣れてきたら少しずつチューブの抵抗を強くしても良いが、まずは正しいフォームでできているかを確認しながら進めたい。肩甲骨がスムーズに動くようになれば、痛みへの不安が減るだけでなく、今よりもっと力強いボールが投げられるようになるはずだ。
(First-Pitch編集部)
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