同世代の名手が続々引退も…松中がSB退団&現役続行 その決断の裏側
ボールは見える――、現役にこだわる松中、その胸中とは
19年間、袖を通し続けたユニホームを脱ぐ決断を下した。9月29日。ソフトバンクの松中信彦が、本拠地ヤフオクドーム内で記者会見を行い、今季限りでの退団を表明した。
会見場を埋め尽くした報道陣。無数のフラッシュを浴びながら、背番号3は、瞳を潤ませながら口を開いた。
「私、松中信彦は球団から自由契約選手にしてもらい、今シーズンでソフトバンクホークスを退団することになりました。ソフトバンク球団には05年から10年間、大変お世話になりまして、いい思いも、悪い思いもさせたのですけれど、本当に感謝しています。ただ、引退じゃないので、これから、現役続行という形になりますけど、この先どうなるか分かりませんけども、頑張っていきたいと思います」
八代一高から新日鉄君津を経て、ドラフト2位で当時のダイエーに入団した松中。7年目の03年に打点王を獲得すると、04年には首位打者、本塁打王、打点王の三冠王に輝いた。05年も本塁打王と打点王を獲得。そのキャリアは輝かしいものだった。だが、10年以降は膝のケガなどによって、出場機会は減少。打撃成績も、なかなか伴わなかった。