ドラフト指名漏れも前向く“由伸2世”谷田「2年でその名に相応しい選手に」

最後の早慶戦で意地を見せた谷田

 90周年を迎えた東京六大学野球の「華の早慶戦」が、10月31日、11月1日に行われた。4季連続で両校の優勝をかけた伝統の一戦は早大が連勝。歴代単独最多45度目の優勝を決め、幕を閉じた。

 2日間で4万8000人の観衆が詰めかけた神宮球場で人一倍、強い思いを持って臨んだ男がいた。慶大の4番・谷田成吾外野手(4年)である。

 1日の2回戦。0-2の8回2死一、三塁の右翼の守備で右中間を抜けそうな飛球に全速力で追いつき好捕した。ダメ押し点を防ぐと、直後の9回先頭ではライト前ヒットを放ち、意地のマルチ安打。後続が続かず敗れはしたものの、最後の最後まで塾生を盛り上げた。

 試合後、整列して客席に頭を下げた背番号24には大きな拍手が送られた。7年間、まとった「KEIO」のユニホームでの集大成だった。

 中1夏のリトル世界大会で準優勝を果たし、神奈川の強豪・慶応義塾高に鳴り物入りで入学。1年春から4番を任され、高校通算本塁打は「74」を数えた。甲子園出場こそ叶わなかったが、高校日本代表に選出。端正なマスクで慶応の左打ち外野手のスラッガーという共通項から、巨人のスター選手になぞらえて「由伸2世」と当時から呼ばれた。

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