【森脇浩司氏の目】根尾、京田の遊撃サバイバル 「こんな興味深いポジション争いはない」
昨年まで中日の1軍コーチを務めた森脇氏が京田と根尾の遊撃争いを語る
プロ野球は2月に突入し、いよいよ今シーズンを占う春季キャンプがスタートした。スター選手の移籍、新外国人、そしてプロの扉を叩いたルーキーたちがどのような姿を見せるのか。今回は昨季まで中日の1軍野手チーフコーチを務め、ソフトバンク、巨人、オリックスで指導者として活躍した森脇浩司氏が「京田VS根尾」の遊撃手争いについて語ってくれた。
甲子園では投打の二刀流で活躍しドラフト1位で入団した根尾昂はプロでは野手1本で勝負する。“定位置”は遊撃手だが、このポジションには森脇氏がルーキーイヤーから育成してきた走攻守が武器の京田陽太が君臨する。
「残念ながら根尾は2軍スタートとなりましたが、それでも高校球界のスターと大卒出で新人王を獲得した京田が、その他にも虎視眈々と狙っている選手もいて、一言で言えばこんな興味深いポジション争い、チーム編成はないと思っています。」
2017年の京田は141試合出場で打率.264、4本塁打、23盗塁をマークし新人王を獲得。昨季は143試合と試合数を増やしたが打率.235と成績を落としている。根尾はプロでの実績はないが、ポテンシャルの高さは群を抜く。
「京田も素晴らしい努力を見せレギュラーとして1年目から活躍しました。17年も遊撃争いが中日の一つの注目ポイントだった。前年(16年)は堂上が自己最多の131試合に出場し、ようやく定位置を掴んだが、そこにルーキーの京田が立ち向かう構図となり京田が開幕スタメンを勝ち取った。しかし、確定までには至っていない
京田も昨年の成績には納得していないでしょう。それは首脳陣も同じ捉え方です。3年目こそ勝負の年と捉えている時に根尾が入ってきた。これでより一層、強い思いでキャンプを過ごすだろう。現段階で開幕スタメンを決めることは出来ないし、その必要もない。どちらが遊撃手に向いているのか、違うポジションの可能性はないのか、固定概念に捉われないことが大事です」