四国IL選抜チームが北米遠征で異例のホームステイ 3日間の経験で得たモノ

「人と人とがつながって――」、北米遠征ホームステイの3日間

 野球の独立リーグ「四国アイランドリーグplus」4球団から選抜された選手が北米遠征を実施している。昨年6月に続いて2度目となる遠征では出発前日の今月3日、羽田空港内にあるギャラクシーホールで、出発直前記者会見を開いた。

 その約2時間前、選抜チームらを率いる徳島インディゴソックス・中島輝士監督らとともに、なじみのカレーショップで昼食を取っていたのは、今回の遠征への協賛企業でもある日本航空(株)徳島支店の支店長、栗山俊久氏である。カレーを食べながら「今回は選手たちがホームステイするんですよ」という話題になった。栗山氏が思いがけず、大きな声を上げる。「誰がそんなこと思いついたんですか! 素晴らしいですよ!」。会見終了後、あらためてそれほど驚いた理由を聞いた。

「徳島に来る前が、シドニー支店長でした。海外へ行って交流するっていったって、普通はホテルに住んで、試合後に向こうの選手と握手するくらいでしょう。現地の人々と交流できるってすごいことですよね。ホストファミリーを通じて、近所の人と『日本から来ました』ってどんどん話が広がる。外国人がどんなプレーをするかもそうですけど、どんな生活をしているのかが分かる。それを聞いて、そりゃもうびっくりしましたよ。だから中島さんに『誰がそんなこと思いついたんですか!』って言ったんですよ。本当に驚きましたよね。すごいと思いますよ」

 同9日から米・独立リーグ、キャンナム・リーグに参入し、公式戦20試合、親善試合1試合を行う1カ月の長旅だ。同4日にニューヨークに降り立ち、翌5日から試合前々日の7日までの3日間、選手28人全員が2人一組となって、14組のホストファミリー宅にホームステイを実施した。これは昨年行われなかった企画である。

 5日、雨のためニュージャージー州リッジウッドにある「ノーザン・バレー・ベースボール・アカデミー」の室内練習場で約2時間練習を行った。その後、続いて行われた選手たちとの交流会、壮行会には、今回のホストファミリーとなる現地在住の日本人ファミリーもたくさん訪れている。交流会終了後、28人は各自それぞれの家庭へと散らばって行った。

 6日朝に集合し、ニューヨーク州アムステルダムで練習と練習試合を実施。7日は午前中、リッジウッド高校のグラウンドを借りて約3時間の練習を行っている。その後、リッジウッド高校の生徒たちとの異文化交流会に参加し、また各ホストファミリー宅へと戻る。ホームステイの3日間はあっという間に過ぎていった。最後の朝を迎え、初戦の地であるニュージャージー州サセックスへと移動。全員がそろい、午前10時30分、バスが出発した。

 秋山陸(高知FD)は高校3年当時、オーストラリアに一週間ホームステイをした経験がある。今回は松澤裕介(香川OG)と2人で、現地在住の日本人、山内さん一家にお世話になった。

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