誕生日も忘れるほど!? 充実の日ハム堀、右打者への攻めが飛躍の鍵「苦にならない」
10日に21歳の誕生日「夜中にめっちゃ、LINEが来るなと思って気が付きました」
日本ハムの高卒3年目左腕、堀瑞輝投手が存在感を増している。今季13試合に登板し、15回を投げて防御率は1.20と安定感は抜群だ。
今月10日に21歳の誕生日を迎えたばかり。「夜中にめっちゃ、LINEが来るなと思って気が付きました。自分の誕生日に全然興味がなかったので。去年は(誕生日を)覚えていたんですけどね。やっぱり1軍で迎えるのと下では違います」と語る表情は充実感にあふれていた。
開幕1軍こそ逃したものの、4月5日に昇格すると、ロングリリーフもできる左腕としてブルペンに欠かせぬ存在になった。すでに入団1年目17年の4試合(先発1試合)、昨年の10試合(先発6試合)を上回る13試合に登板。勝っている場面での出番が多く、5月1日西武戦ではショートスターターも務めた。
今季好調の理由について、堀はチェンジアップの進化を挙げる。元々キレのある直球とスライダーを武器にしており、左打者には強いが、右打者への攻め方が課題だった。「去年までは右バッターを三振に取る球がなくて苦しい場面がありましたが、今はチェンジアップが使えているので苦にならなくなりました」。
その言葉が示す通り、昨季は.279だった右打者の被打率は今季.176と飛躍的に向上した。左打者の被打率は昨季.191で今季.174。右打者を抑える力をつけたことが今季の成績のつながっている。
そのチェンジアップは、今春のキャンプ中に自分自身で試行錯誤しながらつかんだという。「それまでは抜こう、抜こうというイメージでしたが、シンカーみたいなイメージでしっかり持つようにしました」と語る。
広島新庄高時代には高校ジャパンでクローザーを務め、ドラフト1位で入団した逸材だ。高橋憲幸投手コーチは「野球の能力、テクニック、野球観は素晴らしいものを持っている」と高く評価する。一方で、磨いてほしいものとして、直球とスライダー、打者と対峙する中での感性を挙げた。「バッターとのやり取りの中で、ここでボール球を振らせるんだといった、感性を磨いてほしい。今は短いイニングの仕事なので、1球の大切さも学んでほしい」と語る。