サヨナラ打の価値はそれぞれ違う? 数字が示すヒーローたちの貢献度
同日に3度起きたサヨナラゲームでの各ヒーローの貢献度を数字で検証
9月20日、パ・リーグの3試合が全てサヨナラゲームとなった。この日までに消化された799試合のうち、サヨナラゲームは63試合。その割合は約8%に過ぎない。だいたい13試合に1度程度の割合で起こってきた出来事が同じ日に3度起きる珍事は、今月9日以来、今季2度目。終盤戦に入っても熱い試合が続いているようだ。
この日、ヒーローとなったのは、楽天の島内宏明、ロッテの岡田幸文、西武の脇谷亮太の3人だった。
島内は2-2で迎えた9回裏、先頭打者の森山周の内野安打と2つの盗塁で広げた1死一、三塁のチャンスで、日本ハムのクロッタから一塁線を破るヒットを打ち試合を決めた。岡田も9回裏、今江敏晃のタイムリーで同点に追いつきなお2死一、二塁という場面で打順が回り、レフトへのツーベースで二塁走者を返した。脇谷は延長10回裏、ソフトバンクの五十嵐亮太を打って、金子侑司、栗山巧の連打でつくった無死一、二塁の好機をものにした。
いずれも強打者の長打などではなく、ヒットや四球、盗塁などでチャンスを広げ、巧打者が決めるという共通点のある結末だった。
だが、「勝利確率」という数字を使って選手の貢献を計ると、3つのサヨナラ劇の構造を数字でつかめるため、また違ったものに見えてくる。