「ラミちゃん」捨てたDeNA新米監督 なぜ球団初のCSに導けたのか
「ラミちゃん」から「勝負師・ラミレス」へ、指揮官はいかにして生まれ変わったのか
かつて「ラミちゃん」と呼ばれた男の姿はなかった。今季、クライマックスシリーズ(CS)初進出を果たしたDeNA。その先頭に立ち、球団創設5年目の悲願に導いたのは就任1年目の背番号80、アレックス・ラミレス監督だった。
ヤクルト、巨人、DeNAと渡り歩き、外国人選手初のNPB通算2000安打を達成。豪快な打撃とともに「ゲッツ」や「アイーン」というパフォーマンスでファンを沸かせたベネズエラ人は今季、中畑清監督からバトンを受ける形でDeNA監督に就任した。選手から指揮官への転身、「名選手は名監督にあらず」とも言われる野球界で、しかも外国出身。10年連続Bクラスと低迷するチームの再建を託すには、ファンの不安も決して小さくなかった。
それが、就任から1年後、10月の東京ドーム。半分がベイスターズカラーの青に染まった球場で古巣・巨人を破り、CS最終ステージ進出を決めたラミレス監督が、ファンの大声援に応えていた。
チームの日本人レギュラーは全員20代の生え抜き。なぜ、就任1年目の新米監督は弱小球団とも言われるチームをCS進出に導くことができたのか。ラミレス監督とDeNAの1年の歩みを振り返る。