名捕手モリーナとセントルイス、また感動的シーン演出「一流」「素晴らしい」
5月にトレード移籍の元同僚を“歓待”、スタンディングオベーションで迎える
カージナルスのヤディアー・モリーナ捕手、アダム・ウェインライト投手、そしてファンが見せた一流の“歓待”が話題となっている。
感動的な場面が訪れたのは、11日(日本時間12日)の本拠地ブレーブス戦だった。0-0で訪れた2回。無死一塁でマット・アダムスが打席に入ると、スタンドから拍手が沸き起こった。捕手のモリーナが立ち上がり、先発のウェインライトがマウンド後方へと歩き始めると、歓声はさらに大きくなり、スタンディングオベーションに変わった。
アダムスは2009年にカージナルスに入団。ドラフト23巡目、全体699位という下位での指名ながら、マイナーで頭角を現し、2012年にメジャーデビューを果たした。度重なる怪我に苦しみながら、一塁手のレギュラーとして活躍したシーズンも。昨年は118試合出場で16本塁打、54打点をマーク。今季もカージナルスでプレーしていたが、5月20日にブレーブスへとトレードされていた。
移籍後、新天地では66試合で打率.271、15本塁打、44打点と活躍。そして、これがトレード後初の古巣本拠地での試合。“凱旋”の舞台だった。
野球熱が高いことで知られる、カージナルス本拠地のセントルイス。ブッシュ・スタジアムに集まったファンは、打席へと向かうアダムスを拍手で迎えた。そして、モリーナとウェインライトが間を作ると、その歓声は一段と大きくなった。バッテリーは、アダムスが古巣ファンから拍手を浴びる時間を作るため、粋な計らいを見せたのだ。
マウンド方向へと歩き出したモリーナは、途中で立ち止まると振り返り、スタンディングオベーションを浴びるアダムスを見守る。すると、アダムスはヘルメットを掲げ、歓声に応えた。モリーナはポジションに戻ると、アダムスの腰を抱きながら、何事か声をかける。そして、ホームベース後方へとしゃがみこんだ。