若年層の野球人口減、逆風スタートも確かな成果 子供を熱中させるユニーク指導

現在は堺ビッグボーイズのコーチを務める阪長友仁氏【写真:広尾晃】
現在は堺ビッグボーイズのコーチを務める阪長友仁氏【写真:広尾晃】

ドミニカの子供は「ほとんど練習はしない。遊んでいるだけ、野球をしているだけ」

 新潟明訓高から立教大に進み、スリランカやタイ、ドミニカ共和国などで野球に携わってきた阪長友仁氏。ドミニカ共和国で学んだ経験をもとに、現在は大阪の堺ビッグボーイズで野球少年の指導にあたっている。「野球離れ」が進む中、海外での野球指導経験に裏打ちされたユニークな指導法で注目されている阪長氏が語る野球の未来にかける思い。インタビューの第2回をお届けする。

――ここへきて日本では「野球離れ」が進行しています。

「周りの環境を見ていると、野球をやる子がどんどん、どんどん減っているのを実感します。一つには、共働き家庭が増えて、子供たちの送り迎えやお茶当番が大変になったという背景がある。そして、もう1つ。最近はそういうのは減っているとは思いますが、『野球チームに入ったら厳しい指導ばかり』という固定観念があって、親御さんが敬遠しているんですね」

――2014年に堺ビッグボーイズでコーチを始めたのは、そういう逆風の中でのスタートになった。

「まず野球を好きになってもらうことを第1の目標にしました。小中学生の時期に、勝った負けただけにこだわっても仕方がない。もちろん試合では勝つためにプレーするのですが、目先の勝利にこだわるあまり、怪我をしたり、将来の芽を摘んでは意味がない。そのために、いろんな体操や経験を小中学生の間にしてもらおうと。同時に親の負担をできるだけ軽減しようと考えました。今、私は中学生を見ていますが、チームの代表とともにいろいろなものを参考にしながら、彼らの将来につながるカリキュラムを考えています」

「大人が子供をリスペクト」、逆境の中で出発も確か成果

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