【高校野球】昨秋地区予選敗戦から這い上がった仙台育英 佐々木監督の“言葉力”

選手たちを奮い立たせる“佐々木語録”、東北勢から受け継いだバトンを手に歴史を動かせるか

 佐々木監督は早実との対戦が決まると、その強さがホンモノかどうかを見極めていた。大会の雰囲気、世間の期待……。西東京大会や今大会を冷静に見つめ、清宮を「9人の中の1人」と捉えた。

 平沢が「“早稲田実業”と戦う」と話したように、仙台育英ナインにもその考え方は浸透していた。また、佐々木監督は「早実の監督は、オレの(大学時代の)2個下だから。オレが110キロくらいのボールを投げていた時に(捕手として)捕っていたんだ」と笑って、選手たちを和ませていた。

 昨秋、地区予選で敗れた日、佐々木監督は「ここから日本一になったらカッコいいよね」と選手たちに話した。怒ったり、呆れたりしてもおかしくない結果だったが、選手たちはその言葉に奮い立ち、敗者復活戦から県大会出場権を勝ち取り、明治神宮大会の優勝旗を手にした。そんな数々の“佐々木語録”は常に選手たちを鼓舞してきた。

 さあ、決勝。26年前は延長10回の末、帝京に敗れた。未だ優勝旗がない、東北勢の悲願でもある。3回戦で花巻東(岩手)、準々決勝で秋田商(秋田)と東北勢からバトンを受け取ったような流れがある今大会。高校野球が始まって100年。センバツ大会は敦賀気比が北陸勢初優勝。果たして、100年目の夏、高校野球の歴史は動くのか――。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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