選抜出場有力の仙台育英、佐々木監督が掲げた今年のテーマとその意図は
「素数の年は滅多に来ない」「今年1年は100年から100回大会へつなぐ大会でもある」
この日、郷古武部長はあいさつの中で「2017年がスタートしました。この2017という数字は2017と1でしか割れません。それを何と言いますか、杉山くん」と質問。杉山が「素数です」と答えると、「さすがですね。素数の年は滅多に来ません。これは何かを成し遂げるにはいいチャンスだと感じました。しかし、その何かを成し遂げるためには1つ1つを準備して、きちんとこなしていかないといけません。結局はいつも通り、1つ1つをきちんとやっていくことです」と語りかけた。
佐々木監督はこの日もテーマの「大機大用」に触れ、「しっかりとチャンスを活かす日々を送ってほしい。今回はみんなの努力によって、春のセンバツという機会を与えられるはずです。そのチャンスを生かすも殺すも自分たち次第だと肝に銘じていかないといけないのではないかと思います」と強調。そして、「全部、つながっているんだということを感じて日々を送ってほしい」とも話した。
「甲子園が始まって100年という年に自分たちは甲子園準優勝でした。その後、第100回大会に向けて、甲子園は動いています。つまり、一時代が終わります。そんな狭間に今回はいます。今年の夏は99回大会です。そんな中で、今年1年は100年から100回大会へつなぐ大会でもある。そんな思いを持って監督という仕事をやっています。時代は変わるんだなと思いながら、それをつないでいかないといけないんだなと思っています。春のセンバツを頑張るぞだけではなく、春は夏につながっている、全部はつながっているということを感じて今年1年、頑張っていきたいと思います」
仙台育英の硬式野球部は1930年に創部された。63年夏に甲子園初出場を果たすと、これまで夏25度、春11度の出場があり、89年夏、01年春、15年夏と3度の準優勝。明治神宮大会は12年と14年の2度、制した。様々な出来事がつながり、織りなしてきたチームの歴史がある。西巻主将は「1日1日を大切にして、センバツに向けてやっています。今年は酉年なので、1つ1つトリこぼさないように、てっぺんをトリたいと思います」と、今年の干支にかけて抱負を語った。
千里の道も一歩から――。センバツ大会出場を決める選考委員回は今月27日に開かれ、出場32校が発表される。
【了】
高橋昌江●文 text by Masae Takahashi