6球団競合の西武ドラ1右腕、7年目へ心境吐露「やっと打者と向き合えるように」

変化した「不安」、「やっと打者と向き合えるように」―

 昨年7月19日のロッテ戦。それまで14試合に登板し連続無失点を続けていたが、満塁の場面でマウンドに上がると井口に逆転満塁弾を被弾。鈴木にも2ランを浴びて3失点と打ち込まれた。そんな苦境でも収穫はあった。すぐに気持ちを切り替えることができた点だ。

「この2人に打たれるのは2回目でした。周りにもいろいろ言われましたけど、それで気が紛れました。本当に深刻な状況だったら、誰も何も言いませんから。中継ぎは毎日投げるので、切り替えが大事です。切り替えるのは苦手ではないです」

 今までで一番辛い状況からスタートした昨シーズンを乗り越え、復活への手応えを得た。7年目のシーズンを前に「不安はまだある」と話すが、「不安」の種類も変化した。「自身」ではなく、「打者」への不安に変わったのだ。「やっとバッターに向き合えるようになった」と大石は話す。

 昨年の9月17日の楽天戦、6回無死一、二塁の厳しい状況で登板し、後続を封じる好救援を見せると、2年目のプロ初勝利の時以来となるヒーローインタビューに立った。「ああいうのが苦手で緊張してしまいましたが、ファンの方の声援が大きくて、本当に嬉しかったです」。そうはにかむ右腕は、そんな経験を糧に着実に成長している。

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