社会人野球復帰1年目で見た天国と地獄 サブマリン渡辺俊介が得た気付き
「エースは予選を勝つことで作り上げられる」
「勝ち上がる苦しさ、喜び、達成感があった。それをまた味わいたかったので社会人に帰ってきた。ただ、コーチという立場として、『投げない方がいい』というのは都市対抗の前あたりから思っていた。『必要とされるのであれば投げるけど……』というスタンスに気持ちが変わってきた」
16年6月5日。埼玉・大宮での都市対抗出場をかけた南関東大会第二代表決定戦。延長13回までもつれ込んだ熱戦。渡辺は8回から6イニングを投げ、4安打無失点。チームの本戦出場に大きく貢献した。
「都市対抗で経験できることはスゴく大きい。特に本戦よりも予選。その一番苦しいところで僕が投げてしまった。僕がプロへ入る前に経験できた大きな場所。もしかすると他の選手が経験できた場所だったのに……。そこで僕が投げて抑えているようでは、ダメ。
予選で投げた経験が大事。それはプロに入っても常に感じていた。一番苦しい場所で投げないと成長しない。意味も価値もある本当に重要な場所。また、そこで抑えられる投手でないと、エースとしては認めてもらえないと思う。エースは予選を勝つことで作り上げられる、というか」