「MAEKEN」「ICHI」など愛称入り限定ユニで試合開催 MLB珍企画の意図は?
たった2596人の観客の中で行われた試合
観客数はたったの2596人。少年野球が使用しているスタジアムでの開催のため、これだけの観客しか入ることができなかったが、1試合単位での売り上げを考えたら完全なる赤字だろう。それでも開催に踏み切るのは、野球界の将来のことを考えてのことだ。選手たちも自らの役割を理解した上で試合前にリトル・リーガーたちとの時間を過ごし、少年野球の試合をスタンドから観るなど、未来のための重要な時間を過ごした。
シーズン終盤のネタ作りの要素だけでなく、しっかりと意味を持った企画作り。今回のイベントで選手たちが着用したユニホームはMLB公式サイトからオークションにかけられ、その売り上げはMLBとMLB選手会共同出資のユース・デベロップメントファウンデーション(青少年育成財団)へと寄付される。これは米国とカナダで次世代の野球とソフトボール普及をさらに行っていくために使われていく予定だ。
パ・リーグでも形は違うが、「パ・リーグ 親子ヒーロープロジェクト」など多くの親子にプロ野球や球場の楽しさを体験してもらうための企画を形にしている。これを実現していくためにコロコロコミック、ウルトラマンシリーズ、仮面ライダーシリーズなどとタイアップしてリーチを広げている。それ以外にも、球団単位でしっかりと次世代を意識した企画が実施されている。
日本では間違いなく少子化がやってくるため、次世代へ向けての取り組みを行うことが重要であることは間違いない。今回のメジャーリーグの事例もただのネタ作りではなく、その裏に隠された真意をより深く知ることで今後、参考になってくることも多いかもしれない。
(「パ・リーグ インサイト」新川諒)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)