続々と新星誕生のホークス、「育てながら勝つ」を実践する凄さ
正捕手の座をつかみつつある甲斐、上林も出場100試合超え
【野手】
〇栗原陵矢
2014年のドラフト2位で入団した3年目の捕手。今季は2軍の主戦捕手の1人として、ウエスタンリーグでマスクを被る。高谷裕亮の負傷に伴い、6月11日に初の1軍昇格。6月13日の巨人戦(東京D)で代打でプロ初出場。捕手というポジション柄は出場機会は限られていたものの、代打で2試合に出場した。
〇真砂勇介
2012年のドラフト4位で、昨秋の「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」でMVPに輝いた大砲候補。今季の躍進が期待されていたものの、オープン戦で結果が出ずに、開幕1軍を逃した。その後も苦しいシーズンを送ってきたが、7月26日に初昇格。7月30日の日本ハム戦(ヤフオクD)で初先発初出場。8月3日のオリックス戦(京セラD)ではプロ初安打初本塁打を放った。
〇曽根海成
2013年の育成ドラフト3位。今季は育成選手としてスタートしたものの、キャンプに1軍に抜擢されると、開幕直前に支配下登録される。開幕1軍は逃したものの、7月13日のフレッシュオールスターでMVPを獲得。7月27日にプロ初昇格を果たした。同日の楽天戦(Koboパーク)で代走で初出場を果たすと、同29日の日本ハム戦(ヤフオクD)では初スタメンで起用された。
この9人に加え、昨季1軍で1試合にだけ登板していた松本裕樹や、同じく1試合に途中出場していた釜元豪も1軍での出場機会を得た。松本は一時先発ローテに入り、プロ初勝利を含む2勝を挙げている。昨季までの出場が計15試合の甲斐拓也は正捕手の座を掴みつつあり、昨季まで計29試合の出場だった上林誠知も今季は100試合を超えるなど、首位を走る強さを誇りながら若手の台頭も目立つシーズンとなっている。
若手を積極的に1軍へと昇格させている工藤公康監督だが、上げた選手は必ずと言っていいほど、試合に使う。投手はほぼ確実に登板機会を得ているし、捕手はなかなか難しいものの、野手の真砂や曽根はそれぞれスタメンでも試合に起用されている。育てながら、勝つ。野球界において至難の業といえることを、今季のソフトバンクは実践している。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)