2年目平沢が見た、ロッテ井口の鬼気迫る姿「行動で示せる選手はカッコいい」

「井口さんも満足するようないいチームにしたい」

 大ベテランは仙台育英高校から昨年、大きな期待をかけられ入団をしてきた若者を確かにずっと見ていた。2軍では、自身の打撃終了後も平沢のバッティングを微動だにせず凝視し続けていた。平沢本人は「気が付いていなかった」というが、第3者からすれば明らかに期待をかけている目をしていた。打撃練習、マシン打撃、ティー打撃。そのすべてを見ていた。

「頑張っているよね。時間を見つけてはティー打撃をしたり、朝早くからウェートをしたり、いろいろと自分の時間をうまく利用して、もがいている。そういう時間の使い方は大切。必ず報われる」

 後日、背番号「6」の想いを伝え聞いた平沢は頭を掻きながら照れ笑いを浮かべた。それは、なんとも嬉しそうな笑みだった。

「言葉ではなくて行動で示せる選手は本当にカッコいいと思います。誰もが出来ることではない。憧れますし、目指したい。これからのマリーンズはボクも含めた若い選手の底上げが絶対に必要。ボクも試合で結果を出して、井口さんも満足するようないいチームにしたい」

 平沢は9月8日に1軍に再昇格をした。来季に向けてスタメンで出る機会も増えた。まだまだ結果が伴わないことも多く、ミスもあるが必死に懸命に生きている。そしてそんなガムシャラな姿を今季限りで21年間にも及ぶ現役生活に別れを告げる大ベテランは優しい目で見つめている。背番号「6」から「13」へ。言葉ではなく、背中で受け継ぐ想いがある。未来は確かに広がっている。

(マリーンズ球団広報 梶原紀章)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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