豊富な戦力に緻密な育成、V奪還ホークス工藤監督が3年間で積み上げた成果
カード勝ち越しを目標に重ねた勝利
常々、カード勝ち越しを目標に掲げ、たとえ楽天との直接対決であろうと、ローテを変えることなく“不動心”で戦ったソフトバンク。2連敗が8度あったが、3連敗と4連敗が1度ずつと、大きな連敗がなかったところにも、強さが垣間見える。
「去年の悔しさをみんなが持っていてくれた。僕が何か言ってというよりも、みんながそこを持って今シーズン臨んでくれたというのが一番大きい勝因じゃないかと思います」
8月が11勝14敗、9月が13勝9敗と勢いが陰った昨季。それに対し、今季は8月が17勝8敗、9月が10勝1敗。あくまで、その姿勢がブレることなく、シーズンを戦ってきたからこそ、終盤に失速した楽天をひっくり返し、一気にその差を広げることができた。
選手たちがより一層の成長を遂げた今季。工藤監督は「選手の成長を見ているだけで、グラウンドでは笑いませんが、部屋でニヤニヤしていました。頼もしく映りました。総合力で戦うもの。その中で負けたくないという気持ちで持って戦うことが何よりも大事。6球団の中でも最もそれが強かったのがホークスではないのかなと思います」と語った。
雪辱を果たした工藤ホークス。その強さは、紛れもなくホンモノだった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)