10人チームで補欠、目指したのは体育教師…雑草捕手がたどり着いたプロの世界

二塁送球1秒75の強肩、座ったままでも1秒8台

 プロの目に止まるきっかけは、札幌光星高時代にさかのぼる。同級生に上出雄司投手(現東洋大)がいた。スカウトが185センチの大型左腕を追いかける過程で、斉藤の強肩も密かに注目を集めることになったのだ。

「スカウトが練習を見に来てきたので、みんなで『もしかしたらおこぼれがあるんじゃないか』という話を冗談でしていました。でも、目立たないし、打てたわけでもないので、自分はないと思っていました」と斉藤は当時を振り返る。

 ドラフト後、その上出から祝福の連絡が来たという。「卒業後は就職して野球はしないそうです。(プロには)上出が行くと思っていたのに」。皮肉な巡り合わせに複雑な思いを抱きながらも「上出の分まで頑張りたいです」と力を込めた。

 武器は、遠投110メートル、二塁送球1秒75の強肩だ。特に座ったままでの送球はインパクト十分。城島健司やモリーナ(カージナルス)の動画を見て研究し、座ったままでも二塁送球は1秒8台を誇る。

 指導者がいない中、独学で成長を遂げた。大学での練習メニューは選手たちが意見を出し合って考える。試合では、斉藤が3年時から事実上采配を振るっていた。野村克也、古田敦也の本を教材に考える野球を身に付けた。

同学年の“エリート”と同じチームに、「スター選手と同じチームになってうれしい」

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