「1番凄い」千賀も絶賛 ホークス9年目、158キロの育成左腕に覚醒の予感
千賀、石川を飛躍させた合宿に初参加「考え方が180度変わりました」
「考え方が、今まで考えていたことと180度変わりました。新鮮でした」。7日間の合宿を振り返った川原の表情は、自然と綻んでいた。それほどの手応えを得ることが出来たのだろう。「今までは胸を張って投げようとしていたんですが、それを逆に胸を前でまとめて投げるとか、今までは後ろに体重を残して投げようとしていたんですけど、言い方は悪いですけど突っ込んで投げるようにとか、今までの考え方とは違うものでした」。
これまでの川原はテークバックを大きく取り、重心を軸足に残すことを意識して投げていたという。これが左肩への大きな負担にもなっていた。だが、この合宿で指摘されたのは、全くの真逆のこと。胸は張らずに、むしろまとめる意識。テークバックは小さく、フォーム自体は小ぢんまりとした印象だ。それでも、川原自身「ボールもすごく変わったと思います。今までは真っスラ系が多かったんですけど、真っシュー系というか、伸びるような軌道になってきたんで、それは力が伝わってきているのかなと思います。これまでは左腕を体の後ろに引くくらいで投げていたんですけど、前でまとめて投げるようになって負担も変わってきました」と明らかな変化を感じていた。
自主トレ終了後に報道陣の取材に応じた千賀も、その中で「美馬さんはすごいなと思ったのと、今永はやっぱりすごいと思いました。あと川原さん」「1番凄かったのは川原さんかな、皆さんも見たと思いますけど」と、何度か川原の名前を挙げていた。昨オフには、石川の飛躍を予想していた鴻江トレーナーも「川原くんはすごくよかった。去年は石川がブレイクすると言いましたけど、今年は川原くんが出てくる。間違いないと思います」と大絶賛していた。
「今は肩の不安は全くないですね。12月まではキャッチボールもしてなかったんですけど。まずは怪我がないように。怪我がない年がなかったので、怪我なく1年やれれば、結果は出るかなと」。まず目指すは支配下への復帰。でも、もしかすると、それを遥かに超越する飛躍の年になるかもしれない。大きな期待を集めながら、8年間、その花は開かなかった川原弘之。9年目の2018年は、大きな転機の年になるかもしれない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)