中日・松坂、初ブルペン32球で湧いた復活への期待 鍵握るフォームの“変化”
負担がかからないように投げた結果、狂いが生じた―
「たまに痛めていた時のかばう動作っていうのがちょいちょい出るので、自分の体に大丈夫だよと言い聞かせながら投げていました。たまにやっぱり無駄な力が入ってしまうというか、痛めた時の動作、無理矢理投げてしまうというのが、たまにありました」
右肩を痛めていた時のかばう動作。それは下半身、左足を振るような動作、そして、上半身の反動を使うような動きだ。ソフトバンク時代の松坂のフォーム。3年間の中でも変遷はあったものの、1つの問題点は体が横振りになる点。左足を大きく外旋させてくることで、その勢いで体を振り、腕を振るような動きがあった。そして上半身。上体や首を大きく振ることによって、右腕を引っ張り出していた。右肩の痛みをかばい、負担がかからないように投げているうちに狂った形だった。
この日のフォームはどうだろう。左足を下ろすと、体はそのまま前方にスウェーし、左足も振り回すことなく踏み出していた。上体を振って腕を出す動きも抑えられている。これまでは上体を振って腕を出すことで、腕が早く抜け、頭から離れた位置を右腕が通過していたが、頭に近い位置から右腕が抜けてくるようになった。まだまだ悪癖が顔をのぞかせることはある。この日も「あぁッ」と不満げな声を上げることもあったが、「今のところ、去年よりかは(良い)」という言葉は、ある程度は本心なのではないだろうか。