春の近畿を制した大阪桐蔭に隙なし 貪欲に勝利を目指す訳とは?
負けなしのチームだがこれまでベストメンバーでは戦っていない
このチームになって、両校の顔合わせは4度目、昨春の近畿大会を入れると5度目となる。昨春から大きな大会のたびに必ず対戦しており、これで大阪桐蔭が5戦全勝だ。まさに“大阪桐蔭敵なし”という感じだが、驚くのは大阪大会から入れても、決してベストメンバーでは戦っていないという点だ。
大阪大会はセンバツではエースだった柿木蓮、秋までは不動の1番でセンバツでは4番に座った藤原恭大はベンチ外。センバツまではベンチに入れなかった飯田光希、小谷優宇、2年生の宮本涼太など新戦力が活躍し、大阪大会を勝ち切った。
この近畿大会もセンバツで2番打者だった宮崎仁斗がケガでベンチを外れたが、外野と一塁を兼任し、この春は1番も打った石川瑞貴が活躍するなど、レギュラーの選手だけではなく、新戦力、もしくはこれまで目立っていなかった選手がどんどん台頭している。
これはチーム内での競争がいかに激しいかも分かるが、何より感じるのは試合後の選手たちの表情だ。勝っても勝っても、選手たちに慢心の表情はまったく見えない。中川主将は言う。
「夏の大会はどんなにいい投手でも打たれると西谷先生に言われています。自分たちが打ってやるという気持ちはもちろんですが、自分たちのチームの投手も打たれると思うので、そういう時はどう戦っていくべきか考えています」