「言葉の壁を超えて楽しんでもらえた」 パが台湾でプロモーションを行う理由

「謎の魚」を派遣したロッテは台湾メディアからインタビューを受ける

 現地のファンからしてみれば、普段はFOXスポーツ台湾などのテレビ放送、あるいはパ・リーグTVのネット中継を通じてしか知ることのできない、実際に日本に行かないと目にすることができないものを、五感を通じて触れ合える貴重な機会。「日本プロ野球」というコンテンツに対する台湾における野球ファンの興味度合いは、先述の通り、観客動員に表れている。

 実際にイベントに同行した楽天イーグルス・木村沙織氏は、「ジェット風船を飛ばしたり、タオルを回したり、日本の野球では当たり前にしている演出に新鮮そうに参加してくれている姿が印象的だった」と、台湾ファンの反応を率直に語る。「謎の魚」を上陸させた千葉ロッテ・小林博一氏は「他球団含めマスコットに対してここまで台湾の方に関心を持ってもらえるとは思っていませんでした」と驚きを隠さない。

 特に「謎の魚」については「想定外にストレートに可愛いという反応が多かったところに驚いた」(小林氏)との通り、台湾メディアから直接インタビュー取材を受けるなど注目が非常に高かった。日本のファンからの視線とは異なる視線を感じることで、自分たちのコンテンツをいつもと異なる角度から見ることができる機会となったようだ。

 また北海道日本ハムの鈴木祥平氏は「写真撮影会などもとても熱量が高いと感じた。(ラミゴはイベントを多数実施しているため)野球そのものへの関心が高いだけではなく、エンターテイメントコンテンツとして来場されている方が多いのではないかと感じた」と振り返る。

 日本語と中国語(繁体字)。漢字を使うという共通点はありながらも、言葉の壁があることには違いない。ただ、各スタッフが感じたのはまさに、「言葉の壁を超えて楽しんでもらえた」ということ。千葉ロッテ・奈良林希氏の「見た目のインパクトと、奇抜なパフォーマンスで視覚的に楽しんでいただけるよう心掛けた」に、その意図がこめられている。クラッチをアテンドした楽天イーグルス・木村氏は「日本に来る機会がない方々もいたので、写真を撮ったり少しでも触ってもらえたりできるよう、いつもよりハイタッチを増やした」と、取り組みの裏側を披露してくれている。

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