「言葉の壁を超えて楽しんでもらえた」 パが台湾でプロモーションを行う理由
NPBは全球団一括のリーグビジネスなど、未開拓の部分も多い
さらに言えば、ファンもさまざまな交流を通じ、球団が生み出すコンテンツの良し悪しに対してのさまざまな視点や意見を持ってよい。それは、ファンが球団に求めるサービス水準、あるいはコンテンツの質向上につながる。いわゆる「目の肥えたファン」を増やすことは、野球界のみならずスポーツ界全体にとって、スポーツ観戦が単なる消費財としてのエンターテインメントでなく、文化として今まで以上に定着していくために必要なことでもある。
日本プロ野球は競技としての実力も、(球団単体での)ビジネスとしての実力も、実質アジアNo.1のプロ野球といって言い。しかしながら全球団一括のリーグビジネスなど、未開拓の部分も多くある。ただ先進的な取り組みを進めるMLBから学ぶ成功事例も多岐にわたる一方で、「相互」と言えるほどの交流はないとされる。
また、日本球界と近しい競技レベルを持つ韓国球界もすぐそばにあるものの、球団間で相互に視察することはある一方、政治的な部分での摩擦や、2016年を最後に日本プロ野球における韓国人選手がゼロになったことで、ファンにコンテンツを届けるという観点にある、放映権やプロモーションという領域にはつながっていない状況だ。
海外から学び、逆に海外へノウハウを共有する。台湾には親日家が多いとされていることもプラスに作用していることが大きいだろうが、相互に学ぶ姿勢がないと成立しないものが、台湾では成立する。球界全体のみならず、日本のスポーツ界にとって大事な、現場での「学びの機会」。単なるプロモーションにとどまらないモノ、機会、そしてワケは、相互にリスペクトがあるからこそ成り立つ、南国にある。
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)