「日本で何が…」 米で大活躍の元Gマイコラス直撃「小林と成長した3年だった」
成長を助けたマシソンとの出会い
日本では、巨人のブルペンを支えるスコット・マシソンに助けられたという。
「メジャーでは当たり前でも、日本では異質に映ることもある。何が受け入れられて、何が受け入れられないのか。チームで何が求められているのか。そういった基本を教えてもらったり、ピッチングに関しても打者のタイプや対戦相手の傾向をアドバイスしてもらったり。マシソンのおかげで1年目からスッとチームに溶け込めた。まずは、あるがままを受け入れること。それを教えてくれたのも彼。マシソンとの出会いは、僕の野球人生の中で本当に重要なものになったよ」
日本に行く前は、95マイル(約153キロ)を超える速球を持ちながら、制球を乱してカウントを不利にし、結局四球を与えることが多かった。パドレスでもレンジャーズでも、1イニングあたりの与四球数+被安打数を示すWHIPは1.400超。三振を奪うものの四球も多く、走者を溜めたところで痛打されるパターンに泣かされた。
巨人移籍後にまず心掛けたのは「初球ストライク」だ。速球を無鉄砲に投げ込むのではなく、常に優位なカウントに立てるように、速球、スライダー、カーブ、チェンジアップを駆使して投球を組み立てる。そのためには、投げ終えた球に後ろ髪を引かれることなく、次の打者との対戦に気を急くことなく、今、手に握る1球に集中することに努めた。特別なことは何もない。文字通りの「原点回帰」だったが、目先の結果を出すことに囚われていたメジャーでは、いつの間にか忘れていたことだ。
元々負けん気の強い性格だ。今季黒星を喫した2試合では、登板中の援護点は「0」だった。それでも「打線が何点取ってくれようが関係ない。自分の仕事は失点しないこと。失点したことが悔しいんだ」と話すほど。だが、物は考えようだ。アグレッシブな性格を自分で制御できれば、「初球ストライク」を取りながら、優位なカウントで勝負を進めるための大きな武器となる。