広島に“不足”する左腕、鍵握る3投手 OB大野豊氏「計算できれば投手王国に」
大野氏は高橋昂と中村恭に注目「いろいろと勉強して身につけてほしい」
18年に1軍での先発も経験した2人、高橋昂也と中村恭平。ジョンソンだけでなく、大野氏も期待を寄せ注目している。
10年ドラフト2位で富士大から入団の中村。長身からのキレの良い真っ直ぐや多彩な変化球を武器に、毎年のように大きな期待を受けている。しかしプロ5年で勝ち星は2つ。まもなく30歳を迎え、本人も「僕はいつも崖っぷちです」と語るほどである。
大野氏は「2人とも1軍で通用するだけの実力は持っている。それを実戦でしっかり出し切ることができるかどうか。そういう意味では現状は高橋の方が先発しているけど、中村の方が先に出てくるのではとずっと思っている。中村はやはり大学、プロでの経験もあるし自分でいろいろと考えて球種を増やしたりしている」と言う。
18年、中村は序盤の一時期、先発として起用され随所で可能性はみせてくれた。残念ながら結果を出すことはできず、現在はファームで次のチャンスを狙っている。
そしてもう一人は高橋昂也。16年ドラフト2位で花咲徳栄高からプロ入り。高校時代、世代別日本代表に選ばれた逸材について大野はこう話す。
「高橋は本当に良くなっている。身体も入団時に比べるとできてきた。球の力などはもともとあったからね。でも少し荒削りの部分もある。たまに左投手にありがちな、抜けるような感じもある。でもプラスに考えれば、それだって自分の武器に使えば良いわけだからね。いろいろと勉強して身につけてほしい」
18年も開幕前から大きな期待をかけられ、先発での登板機会も多い。特に6月28日、巨人のエース菅野智之と投げ合い、6回無失点でプロ初勝利を挙げ手応えをつかんだように見えた、高橋本人は自身の現在位置についてこう語ってくれた。
「菅野さんと投げた時は、とにかく良い投球をすることだけ考えていた。菅野さんが相手だったから力も出せたのだと思う。まだまだすべてがダメです。中でもコントロールをしっかりつけたい。特に真っ直ぐ。力を入れた時に球が暴れることはそこまでないんですが、プロでは細かい部分が必要。少しでも甘くなるとすぐにとらえられてしまう。今はそこを一番重要視しています」