オコエ瑠偉、1軍で輝くために…楽天の2軍スタッフが語る“成長”と“課題”

「身体能力の高さは誰もが認めている、その上で練習をしっかり行って経験を積む」

「1軍のオープン戦で多少、結果も出た。だから2軍にいる時には余裕というかゆとりのようなものを感じる。打席でもドシッとして、相手投手を待つことができている」

「2軍でいきなり二塁打を打った。次打者の時に捕手が少し前にこぼしたらすぐに三塁を奪った。ああいう積極性は素晴らしいと思う。その上で繊細さも出てくれば、いろいろな結果につながると思う」

 栗原コーチは精神的な安定感を挙げた。

「目指すところはかなり高いところにある。ただヒットが出る、足が速いというだけではない。すべてを備えている、手がつけられない選手になれる。本人が言ったようにトリプルスリーだね」

「まだ1軍では新人選手のようなもの。すべてが初めてだと思ってそれに1つずつ対応していけば良い。アジャストすることが今後の課題だと思う」

 後藤コーチは1軍レベルへの対応力を語った。

「状況判断を磨くことが大事。そのためにも実戦にたくさん出る。プロの世界はやはりレベルが高いから、そこでさまざまな状況に出会うことで判断力も早くなる」

「実戦に出るということは経験を積むこと。身体能力の高さは誰もが認めている。その上で練習をしっかり行って経験を積む。これらを継続できれば間違いなく素晴らしい選手になれるはず」

 三木監督は経験の重要性、それにともなった状況判断力を口にした。

 いつも明るく振る舞っているオコエ瑠偉。周囲には柔らかい空気が満ちている。

「僕、やっぱ、屋根がない球場が好きなんですよ。気持ちいいっすから」

 20度をこえる快晴の空の下、気持ち良さそうに試合前練習を終了した。

「たまに寒いっすけど、楽天生命パーク、大好きなんですよ」

 無邪気な笑顔から想像できない、刺激的なプレーが見られるのは、そう遠くなさそうだ。

(山岡則夫 / Norio Yamaoka)

山岡則夫 プロフィール
 1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY