「レベルが高くて絶望するところも…」2軍で修行中、ロッテ藤原恭大が今、思うこと
「1軍のレベルが高くて絶望するところもあった」
初めて臨む石垣キャンプでは1軍に振り分けられた。練習試合やオープン戦など全30試合に出場し、プロの何たるかを目で見、肌で感じた。3月29日の開幕戦(楽天戦)には「1番・中堅」でスタメン出場。球団では高卒新人として54年ぶり3人目の快挙で、第4打席にプロ初安打も記録したが、周囲の盛り上がりとは裏腹に藤原自身は「1軍のレベルが高くて絶望するところもあった」と明かす。
「もう本当に何も足りなかった。正直『1軍はキツいな』というのがありました。まだまだ上じゃ絶対に無理だって。まぁ、すごいレベルだったんで…… そりゃそうですよね、この前まで高校生だったのに、いきなり超一流の選手と一緒のプレーするんだから、レベルが違うのは当然。でも、力の差がありすぎて、これから先がどういう道のりになるのかすら想像できないくらいでした」
開幕から10日後の4月7日に登録抹消。1軍では6試合に出場し、19打数2安打2打点、打率.105の数字を残した。「もちろん悔しい気持ちはあった」というが、無我夢中で過ごした10日間は心身ともにギリギリ。抹消された時のことは「…… あんまり覚えてなくて」とバツが悪そうに振り返るほどキツかった。
2軍に合流してから取り組んでいるのは、身体の基礎を作ることだ。「体力的に全くついていけていなかったので、技術まで手が回らなかったし、精神的にも余裕がなかった」と、自分なりに1軍での日々を分析。今年は“土台作り”の1年と位置づけ、息切れせずに1シーズンをしっかり戦える身体を作る。まだまだ鍛えている途中だが、開幕時は78キロだった体重は80キロを超えた。
目標を達成するために、どういう道のりをたどるべきか逆算する。プロ野球選手になる目標を達成するため、大阪桐蔭高への進学を選んだ。今、目先の結果に囚われずに身体作りを優先させるのは、1軍で活躍するため、そして「目標は大きく」トリプル3を達成するためだ。
「走・攻・守の一つでも欠ければ、もうそこまでの選手だと思っているので。バッティングだけじゃ通用しないですし、足だけでも自分より速い人はいるので通用しない。守りもしっかりやって、3つ揃ってこその自分だと思っています。どれも欠けないように頑張ってやっていきたいですね」
子供の頃、特に憧れの選手はいなかったが、2015年にトリプル3を達成したソフトバンク柳田悠岐外野手は「高校の時に走攻守、全部すごいなと思って見ていました」という。プロとなり改めて感じたのは、「柳田さんは、ちょっと一緒に考えたらダメだなって思います(笑)」。誰の真似をするわけではなく、藤原恭大のオリジナルスタイルでトリプル3を目指す。