パ・リーグ最速を記録した一塁到達タイムは誰? 日ハム西川、オリ福田、ロッテ加藤ら…
日本ハム西川が3秒55でトップに輝く
〇最後に登場するのは千両役者の日本ハム・西川遥輝外野手
トリとなる1位に輝いたのは、日本ハムの不動のトップバッター・西川遥輝外野手だった。タイムは3秒55。その速さについては、もはや説明の必要もないだろう。盗塁王を獲ること過去3回。近年ではソフトバンクの「甲斐キャノン」こと甲斐拓也捕手との盗塁勝負がパ・リーグの看板になりつつある。
また、今季の西川は内野安打の多さが突出している。8月21日時点で西川選手の内野安打数は26。これはパ・リーグ1位の本数だ。ちなみに、全安打数に対する内野安打の割合は、西川が約20パーセント(129安打中26内野安打)。対照的に、このランキング2位の福田は約11パーセント(101安打中11内野安打)と割合自体は低い。同じ足を売りにする選手であっても、それぞれ個性があるのは面白いところだ。
最速タイムを叩き出したときの西川は、ヘッドスライディングをしていた。
よく、「ヘッドスライディングと普通にかけ抜けるのでは、どちらが速いのか?」と議論になるが、以前はかけ抜けた方が速いという意見が優勢であった。それに対して、最近の研究ではヘッドスライディングの方が僅かだが速いという結果も出ている。筆者が計測している限りでも、地面をこすらずに空中に浮いた状態でベースにタッチできる高い技術があれば、ヘッドスライディングのほうが良いタイムが出ている傾向がみられる。西川選手が最速タイムを出したこのシーンがまさにその形だった。
ただし、ヘッドスライディングは故障が怖いので、誰にでも推奨できるものではない。プロの中でも、西川選手のような高い技術を持つものだけが駆使できるリスク含みの「諸刃の剣」なのだ。余計なことではあるが、今後もくれぐれもケガのないようなスライディングをしてほしい。そのうえで、さらに速いタイムを更新されることを、楽しみにしたい。