リーグV2も最悪防御率…来季はドラ1松本航、野田ら若手台頭に期待…西武19年投手陣
走者すら許さない…増田は抜群の安定感で守護神に返り咲き
本来の位置に返り咲いたのはシーズン序盤の早い段階だった。昨季の守護神・ヒースが開幕から調整不足を露呈し、登録抹消。同じく助っ人のマーティン投手も制球力に大きな不安を持っており、9回のマウンドに送るには苦しいものがあったのだ。そこで白羽の矢が立ったのが、クローザー経験のある増田。昨季は、持ち味の直球が全体的に高めに浮き、痛打される場面が目立っていたが、今季は制球力が大幅に改善し、1イニングあたりに出した走者はわずか0.88人。支配的な投球で守護神に返り咲き、優勝が決定した9月24日の試合では文句なしの胴上げ投手となった。
来季、西武の投手陣においてキーマンとなるであろう投手を紹介する。若手投手が多い先発陣の中で、十亀剣投手の存在は非常に大きくなってくるだろう。今季はチーム3位タイの17試合に先発し、5勝6敗、防御率4.50ながらも、優勝がかかる9月は3試合に先発して防御率1.40。特に今季最後の登板となった9月19日の日本ハム戦では、7回4安打無失点の好投を見せた。FA権を取得し去就が注目されたオフには西武に残留することを公表した。先発陣の大黒柱として、2015年以来の2桁勝利を目指してほしい。
若手では松本航投手に期待したい。ルーキーイヤーの今季は開幕前に肺炎を発症。結果的に7勝4敗の好成績だっただけに、出遅れが悔やまれるシーズンとなった。来季は先発陣の柱として開幕からローテーション入りすることが絶対条件だろう。今井、高橋光と共にフレッシュな先発トリオを形成したい。
救援陣では野田昇吾投手がカギを握るだろう。小川龍也投手が55試合で防御率2.58の好成績を残したこともあり、今季はわずか23試合の登板にとどまった。2018年は平井に次ぐ58試合に登板しており、実績は十分だ。平井は今季81登板。野田も負けていられない。
個人に注目すれば、活躍した瞬間はそれぞれの選手にあるだろう。しかしながら、チーム成績を見ると、防御率4.35、635失点はともにリーグワーストの成績。ここまで挙げてきた投手の活躍だけでは、この成績を大幅に改善することは難しい。リーグ3連覇のためには、上記に挙げた投手はもちろん、若手投手陣、そしてルーキーが一体となることが不可欠だ。