イチロー氏から「会いたい」 鑑定家・前野重雄さん“お宝”スポーツグッズの世界

「1年延期で東京五輪は未曾有の注目を浴びる大会になる」

 しかし、こと東京五輪に関しては、1年延期されたことによって大きく様相が変わるという。「一種の“神風”です。コロナウイルスの感染拡大で、いま世界人口約78億人みんなが我慢を強いられている。その分、開催直前にストップがかかった東京五輪が来年無事開かれれば、そこからの解放を象徴する歴史的な大会になるでしょう。破格のテレビ視聴率を稼ぎ、未曾有の注目を浴びる大会になり、そこで活躍する選手や関連グッズも、すごい“跳ね方”をすると思います」と分析する。

 そんな前野さんの手元に、味わい深い一品がある。1972年2月に開催された札幌冬季五輪の際、聖火を札幌まで運んだランタンである。工業デザイナー・柳宗理の作品で、聖火をアテネからベイルート、ニューデリー、バンコク、シンガポール、香港、台北、日本返還直前の沖縄を経由して本土に運び、青函連絡船で津軽海峡を渡る際には、護衛艦5隻、巡視船3隻に守られた。ちなみに、この8年前の64年東京五輪の聖火輸送にも、同じ柳宗理がデザインした同型のランタンが使われ、こちらは現在、東京国立博物館に納められている。「初めて聖火を飛行機内に持ち込めるように設計された物で、技術立国・日本の象徴と言えます」と前野さんは説明する。

 札幌五輪の聖火を運んだランタンは4月7日、ネットオークションで70万円で落札された。「ランタンにとっていい“嫁入り”になりました」とうなずいた。

イチロー氏から、まさかの「会いたい」

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