捕手で大成しなくても… 小笠原、和田、北川ら打撃を武器に飛躍した一流プレーヤーたち

小笠原氏、和田氏は捕手スタートから球界を代表する大打者に

 以上のように、規定打席未到達ながら打率.300前後の成績を残している選手が多くなっている。後に打者としてブレイクを果たした選手たちは、複数ポジションで出場を続けるという負担の大きな状況でも、打撃面で一定以上のインパクトを残していたことがうかがえる。

 後に三塁手や一塁手として数多くのタイトルを獲得した小笠原氏や、パ・リーグで首位打者と最多安打、セ・リーグで最高出塁率とMVPを受賞した和田氏をはじめ、これらの選手たちはいずれも後にチームの屋台骨を支える存在へと成長を遂げている。パ・リーグの現役選手2名もキャリアの初期に捕手以外のポジションをこなしながら経験を積み、近藤は外野手、森は捕手としてレギュラーを獲得し、活躍を続けている。

 比較的若い時期に複数ポジションを兼任した選手が多い中で、今回取り上げた2年間が20代終盤という時期だった和田氏はやや異彩を放つ存在といえるか。和田氏は大学、社会人を経て25歳で入団と、年齢面ではやや遅いプロ入りだった。しかし、2002年からの9年間で8度の打率3割を記録し、2015年には史上最年長で2000本安打を達成するなど、30代以降に達してからの活躍は目覚ましいものだった。

 和田氏は2000本安打を達成した2015年限りで現役を退いたが、この年も43歳という年齢にして79試合に出場して打率.298を記録しており、まさに晩年まで衰え知らずの現役生活を送っていた。まさに大器晩成と形容できる和田氏のキャリアにおいて、2002年以降のブレイクへは、今回取り上げた2年間が大きな意味を持っていたに違いない。

ベテランとなってから一塁手に転向した2選手に対し…

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